ネームプレートを作る

「オーロラ通信社製鉱石ラジオ(小林健二作)」プレート部分

鉱石ラジオのような工作をするときに、小さくてもネームプレートなどがついたりすると、急に本格的になったような感じがします。ネームプレートは金属の板や樹脂板に文字を彫ったりする方法もありますが、ここでは金属の板を腐食して作る方法を紹介してみたいと思います。

材料は銅、あるいは真鍮、アルミ、亜鉛などの0.5~ 2 mm厚くらいの板を硝酸、第二塩化鉄で腐食して作ることが多いのですが、ここでは1mm厚の銅板を第二塩化鉄で腐食する方法を示します。

表面をよく磨いた(商品名ピカールなどのメタルポリッシュで)1mm厚の銅板を用意します。銅板は七宝材料などを扱うお店や銅版両などの材料を扱う画材店で入手できます。

上がアクリル板などを切るのに使用するPカッター(替え刃式)・下が銅板などを切るための道具。ともに定規を当ててV字に切り込んでカットしていきます。

すでに必要な大きさに金ばさみや金鋸、あるいは鋼板切りといって銅版画材料店にあるプラスチックカッター(Pカッター)のような工具でカットしておきます。

端は少しなだらかになるようにヤスリで面を少しとっておきます。そして裏側には腐食止めをするために粘着テープかカッティングシートなどを貼っておきます。そして文字として出っ張らせたいところにはインスタントレタリングを貼り、マークや絵は油性のマジックインキを使ってなるべくしっかりと防食できるように重ね書きをしてよく乾かしておきます。自分が満足できるデザインに仕上がったらなるべく指紋や油を腐蝕する部分に付着しないようにして作業を進めます。

腐食しないように金属板の裏にはカッテイングシートを貼っておきます。

腐蝕しようと思う銅板が十分に入る大きさで2~ 3 cmくらい深さのあるプラスチックやガラス製のお皿かバットを用意して、中に第二塩化鉄の腐蝕液を入れておきます。この液はやはり画材店の銅版画のコーナーや電子工作のパーツなどを扱う店のプリント基板の製作材料コーナーで人手できます。用意ができたらその液の中にさきほどの銅板を静かに入れ、ときどき様子を見ながら自分の思う深さまで腐蝕が進んだかどうかを5~ 10分おきにみながら作業してください。もし途中でインスタントレタリングやマジックの線がはがれてくるようなら、液からあげて水洗いをし、乾かして修正をして、作業を続けてください。

このようにして何度か練習をすれば、すぐにうまく作れるようになります。

腐蝕液は何度も使えますが、そのうち腐蝕力が落ちてきて使いづらくなってきたら、そのまま下水などに流したりせずに、炭酸カルシウムで中和してから処理してください。この処理の詳しい方法は、入手するときに店の人が教えてくれるはずです。

このようにしてプレートができたら、文字をもっときわだたせるために低い部分に塗料を塗ります。黒のつや消しのスプレーなどを全体にかけて、80~ 100番くらいの粗い耐水サンドペーパーで水をつけながら磨くと、文字などの高く残ったところが浮き出てきますから、そのあとをメタルポリッシュなどで磨き、ビスや釘でプレートを取りつけるための穴をあけたりして出来上がりです。色も自分の好きなものを選んでください。

この作り方を知っておくといろいろなことに利用できると思います。また、文字や数字を刻印する方法(工具は彫金材料店で人手できます)や、写真焼き付けで字や絵の防触層を作る方法(この材料はさきほどのプリント基板の材料コーナーで入手できます)もありますので、いろいろ試してみてください。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集し、画像は新たに付加しています。

*小林健二の作品にも自作プレートが使われていて、その中の何点か紹介してみます。

「1965年3月27日午前」
木、鉛、電気、風景
1991
(通電すればその時だけ約一時間ほど1965年3月2日の風景が箱の中に現出するとのこと。不思議と人によっては心の中にそれが浮かんでくることもある) *プレートは鉛板にタイトルが刻印されています。

「サイラジオ-透質結晶受信機-」
木、合成樹脂、電子部品、他
1993
(透明結晶が青く光りながら回転し、同時にラジオも受信する)*金属製のプレート

KENJI KOBAYASHI

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