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小林健二個展[透質層と透明体]preview

小林健二個展「透質層と透明体」

2019年9月21日~10月12日(日・祝休廊) 11:00-18:30

104-0031東京都中央区京橋3-3-10第一下村ビル1F tel:0332817808/ fax:0332817848

info@gallery-tsubaki.net

Gallery TSUBAKI

小林健二作品[Tremadictonreticulatum]
2019 mixed media
夕暮れが降りてくる。黄昏の帳(とばり)が一面に広がる遠い日々の数多(あまた)の思い出がどれも皆 煌煌(キラキラ)と蘇る。(小林健二作品に書かれた文章)

詳しい情報

透明なものを取り分け好む小林健二。

彼が子供の頃、家の前から都電で行ける上野の国立科学博物館は大好きな遊び場の一つでした。

子供にとっては一本で行けるこの交通手段はありがたいもので、学校を休んでは頻繁に出かけた様です。中でも当時の鉱物標本室は面白かったとの事で、水晶や方解石など、特に透明感のあるものに惹かれています。

彼の作品群に共通するイメージを見つける事ができ、それは電気仕掛けの作品や科学的テーマを主題とするものもありますが、彼から生まれる作品においては、透明を感じる透質層が施されている特徴がある様に思います。あくまでも素材が「透明なもの」という意味ではなく、印象としての透明感です。

描かれているものは怪物であったり、腔腸類を思わせる形態や、山や岩という天然だったり・・・

様々であるにも関わらず、不思議とその向こう側に存在する透明な世界を思わせるのです。

心象風景とでもいうのでしょうか、そんなところも彼の作品の魅力です。

展覧会ごとにテーマを立てる小林健二ですが、今回は「透質層と透明体」という、彼が好んで触れてきた世界観が単刀直入に表現されています。

そしてギャラリー椿に隣接するスペースGT2では「XEDIA(キセディア)」という神秘的な場所がテーマになっていて、標本箱仕様の作品が多数展示される予定です。


小林健二個展「XEDIA」*同時開催9/21-10/12(日・祝休廊)11:00-18:30

104-0031東京都中央区京橋3-3-10第一下村ビル1F GT2


XEDIA(キセディア)と呼ばれる奇妙な場所からの発掘品

XEDIA(キセディア)と呼ばれる奇妙な場所からの発掘品
XEDIA(キセディア)と呼ばれる奇妙な場所からの発掘品

*以下小冊子「XEDIA」より抜粋

ーXEDIA

ケノーランドは絶対年代として、新太古代に存在していた超大陸である。

 その後大陸の移動の分裂接合によって形成と破壊を繰り返しながらも、一部は近現代に至ってもなお盾状地(じゅんじょうち)として残っていた。この台地が最初に人間の歴史に記されたのは1612年にオランダの五人の登山家たちによるものだった。その台地の四面がほぼ垂直に切り立っているために当時は山頂部の状況は観測できなかったが、1860年代に地上より測量されおよそ標高3500m、四辺がそれぞれほぼ7kmである事が確認された。

(中略)

1955年フランス及び英国によって結成された第一次調査隊によって辛くも着陸に成功したものの表面の薄雪により機体が安定せず、当日中に下山を余儀なくされた。その際その高地の滑走路を「奇妙な場所」としてパイロットたちはXedia(キセディア)と呼ぶようになった。

(中略)

これら出土品には特徴があり第一には、大きさが約10mmくらいから60mmくらいに収まり、分布状況が1.25mの正方面に意図的に配置されていること。そして第二には放射性核種、蓄積線量を検出できず、さらに熱残留磁気、地心双極子にも応答せず、これらの製作年代はまったく測定できないということだ。また、これらの発掘状況の全体像が把握しづらかったことは、この脆弱な人工的製作物は約20cm石英状硬透質の珪酸層に堅く包まれている状態にあったため、目視できても対象物を破損せずに回収することが技術的に障壁となり、一般には全ての状況は開示はしないまま次第に研究者の極度の体調不良、遅疑逡巡、意欲減退、一部には重厚の精神障害を発症とも?関係国の成果よりも資金不足及び世界情勢が再び混乱した事といった理由から1972年までに各国によって報道管制なども敷かれ、半ば強制的に再び「前世紀の闇中」にまで押し込められ忘れ去られていったのである。

(後略)

*標本箱仕立ての作品にはそれぞれの作品表紙がついた小冊子がついています。(展示即売)