基本的なゲルマラジオの製作2

前回ご紹介した[基本的なゲルマラジオの製作]の続きです。

コア入リコイルとヴァリコンのゲルマラジオ

コア入リコイルとヴァリコンのゲルマラジオ 「ぼくらの鉱石ラジオぼくらの鉱石ラジオー小林健二著)」より

コア入リコイルとヴァリコンのゲルマラジオ
「ぼくらの鉱石ラジオぼくらの鉱石ラジオー小林健二著)」より

コア入リコイルとヴァリコンのゲルマラジオの回路図

コア入リコイルとヴァリコンのゲルマラジオの回路図

材料 コア入リコイル 1本(作例ではマックス印のPA 63Rというタップ付きインダクタンスコイルを使用しています) ポリヴァリコン(単連290 pF)1個 ヴァリコン用ツマミ 1個 ゲルマニウムダイオード 1本 抵抗1/4W(4分の1ワット)500kΩ(キロオーム)1本(この抵抗はなくてもかまいません) ターミナル、あるいはそのかわりとなるネジ等の金具 配線用エナメル線 10 cmほど クリスタルイヤフォン 1個 ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4 cm× 7cm X 1 5cmを使いました)

材料
コア入リコイル 1本(作例ではマックス印のPA 63Rというタップ付きインダクタンスコイルを使用しています)
ポリヴァリコン(単連290 pF)1個
ヴァリコン用ツマミ 1個
ゲルマニウムダイオード 1本
抵抗1/4W(4分の1ワット)500kΩ(キロオーム)1本(この抵抗はなくてもかまいません)
ターミナル、あるいはそのかわりとなるネジ等の金具
配線用エナメル線 10 cmほど
クリスタルイヤフォン 1個
ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4 cm× 7cm X 1 5cmを使いました)

このラジオはC(コンデンサー)同調式といいます。(詳しい原理などはおってアップ予定です)L(コイル)は動かしません。作例では実験として各タップにもアンテナをつなげられるようにしてみましたが、回路図のように黄のタップは実際には使用しません。

使用したコイルは小型ラジオを製作するために作られたもので、フェライトの磁性体をコイル筒の中央に入れることでインダクタンスを高くしているため、太さ8 mm、長さ(本体)3 cmと小型にできています。4 cmくらいの長さに出ている銅線は取り付け用のもので、ハンダ付けをしたり、途中で適当に切ったりできるものです。

なおプラスチックケースは熱に弱いので、部品は瞬間接着剤でくっつけました。

PA-63Rの取り付け方

PA-63Rの取り付け方

裏から見たところです。

裏から見たところです。

実体配線図

実体配線図

プラスチックケースの加工

プラスチックケース(スチロール製)は、アクリルや塩化ビニルやABS樹脂とくらべると加工がしづらくて、 ドリルで穴をあけようとするとかえって割れてしまったりするのですが、熱したクギなどでもすぐに穴があけられるので、いろいろと工夫してみてください。プラスチックケースがなければ、マッチ箱などを利用するのもいいと思います。

調整と聞き方

アンテナを自のタップのところにつけて、アースもつけ、ヴァリコンを動かして同調をとって聞きましょう。もし感度がアンテナが小さいことでうまくいかないようなら、黄のところにもつなぎかえたりしてみてください。

ミュー(μ )同調器を使ったゲルマラジオ

ミュー(μ )同調器を使ったゲルマラジオ 「ぼくらの鉱石ラジオー小林健二著」より

ミュー(μ )同調器を使ったゲルマラジオ
「ぼくらの鉱石ラジオー小林健二著」より

ミュー(μ )同調器を使ったゲルマラジオの回路図

ミュー(μ )同調器を使ったゲルマラジオの回路図

材料 ミュー同調器 1個 セラミックコンデンサー(100pF)1個 ターミナル 4つ ツマミ 1個 グルマニウムダイオード 1本 配線用エナメル線 10 cm クリスタルイヤフォン 1個 ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4 5cm X7cmX2cmを使いました)

材料
ミュー同調器 1個
セラミックコンデンサー(100pF)1個
ターミナル 4つ
ツマミ 1個
グルマニウムダイオード 1本
配線用エナメル線 10 cm
クリスタルイヤフォン 1個
ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4 5cm X7cmX2cmを使いました)

回路図中及び実体配線図中で、アンテナ 、アース 、コイル、 ダイオード、コンデンサー 、イヤフォンの関係がいろいろな位置で表してありますが、最終的にどことどこをつなぐかさえ正しければよいのです。また、コンデンサーやコイルの矢印のあるものは可変できることを表しています。

回路図中及び実体配線図中で、アンテナ 、アース 、コイル、 ダイオード、コンデンサー 、イヤフォンの関係がいろいろな位置で表してありますが、最終的にどことどこをつなぐかさえ正しければよいのです。また、コンデンサーやコイルの矢印のあるものは可変できることを表しています。

裏から見たところです。

裏から見たところです。

このラジオはL(コイル)同調式で、C(コンデンサー)は100 pFで固定されています。ミュー同調器はコイルの中のコアを動かしてLを変化させるので、コアの動くスペースを考えておかなければなりません。それ以外はあまリスペースを取らないので、作例では余ったスペースにイヤフォンを入れるようにしました。

ミュー同調器はなかなか入手しづらいかもしれませんが、参考としてあげました。コルの中のコアを出し入れするものですから、自作はそれほど難しくありません。

調整と聞き方

ミュー同調器はメカニックで動くので、組み立てる前に、スムーズに動くように油などをギヤ部にさして調整をしておき、組立て後にも再度調整をしましょう。アースとアンテナを逆につけかえたりして感度をみてください。

ミュー同調器の自作

ミュー同調器が手に入らなかったり自作したい場合のために、ダストコアと呼ばれるものを紹介します。これは直径4~10 mm長さ2~ 20 cmくらいまであるフェライトなどの磁性材料を使って棒状に作られたものです。これをミュー同調器のようにギアを使ったり、あるいは図のようにプーリとワイヤーでコイルのなかにダストコアが出入りする機構を作ってあげればいいのです。

ミュー同調器の自作

ミュー同調器の自作

ミュー同調器の自作

ミュー同調器の自作

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオ

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオ 「ぼくらの鉱石ラジオー小林健二著」より

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオ
「ぼくらの鉱石ラジオー小林健二著」より

材料 ミュー同調器 1個 ヴァリコン単連290 pF l個(作例では古いミゼットヴァリコンを使用しています) グルマニウムダイオード 1本 ツマミ 2個 ターミナル 4個 配線用エナメル線 10 cmほど クリスタルイヤフォン 1個 ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4cmX10cmX2 5cmを使いました) (写真には抵抗も1本写っていますが、今回使用しませんでした)

材料
ミュー同調器 1個
ヴァリコン単連290 pF l個(作例では古いミゼットヴァリコンを使用しています)
グルマニウムダイオード 1本
ツマミ 2個
ターミナル 4個
配線用エナメル線 10 cmほど
クリスタルイヤフォン 1個
ケース(作例では透明のプラスチックの箱、外形4cmX10cmX2 5cmを使いました)
(写真には抵抗も1本写っていますが、今回使用しませんでした)

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオ の「回路図

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオの回路図

実体配線図

実体配線図

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオの裏

ミュー同調器とヴァリコンを使ったゲルマラジオの裏

調整と聞き方

このラジオはL、C同調式で、可動部が2つあるのでしっかり製作してください。

聞き方としては、まずヴァリコンを真ん中の位置にしてミュー同調器を動かし、感度のいいところを見つけたらヴァリコンを動かし、またミュー同調器を動かすというようにしてみてください。

 

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

KENJI KOBAYASHI

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください