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初めての模型用工作機械

ベルメックスのショールームを訪ねて

ベルメックスインターナショナルのショールーム内部

ベルメックスで紹介している工作の洋書。小林健二は[WORKSHOP PRACTIS SERIES]をほとんど揃えている。

ぼくがはじめてベルメックスインターナショナルへ行ったのは、かれこれ20年近く前になります。それまでは経済的事情から中古機械を入手していました。ところが仕事上どうしても棒状の挽物を作らなくてはならなくなり、いつもペンチやドリルなどを売ってもらっていたお店に「それくらいのサイズの木工旋盤なら」と日本橋のベルメックスを紹介されたのです。

ベルメックスは今も当時も高級そうな立派な工作機械が整然と並んでいて、その頃お金にあまり縁のない人間にとって、場違いな気がするほどでした。

その素人のぼくに丁寧に対応してくれたのが、何を隠そうそこの社長であったというわけです。一時間後ぼくは工作機械購入の初体験をしたのですが、それはまさに機械と呼ぶのにふさわしく、芯間1100mm、振りが350mmの鋳鉄製で、重量200k議場の木工旋盤でした。にもかかわらず、とても廉価だった記憶があり、それ以来勝手にゴヒイキという次第です。

ぼく自身その後バンドソー、グラインダー、12Vの溶接器、ベンダー、ベルトサンダー、動力用ベルトサンダー、小型高速ボール盤などなど・・・細かいものを入れると数十に及ぶ機械を購入させていただきました。

小林健二が初めて手にした大型木工旋盤。ベンダーも下に見える。

小林健二の木工旋盤が置いてある壁に設置された自作の棚に、バイトなどが使い勝手がいいように並べられている。

ここのショールームの良さは、興味ある機械や工具を直接試すことが」できるということです。まだ機械にあまり慣れていない初心者にとっては、このことはとても重要で、大抵購入した後でもう少し大きかった方が・・とか、その逆とか・・、あるいは違うタイプのものの方が良かったと気づくことがあるからです。また金工系の洋書も扱っていて、内容を確認してから買うことができるのも嬉しいことです。

多種色々なキットや小型から大型の機械もあり、廉価なので近くに行かれた折には立ち寄られるといいでしょう。なお、ホームページも充実していますから、こちらものぞいてみてください。独自オークションも行なっています。

 

ベルメックスインターナショナル

地下鉄日比谷線小伝馬町駅近く、江戸通りに面している。http://www.bellmex.com

 

*2005年のメディア掲載記事を抜粋編集し、上から2枚目までの画像は記事の複写、それ以外の画像は新たに付加しています。

 

KENJI KOBAYASHI

手道具と電動工具1

趣味の工作をするために専用のスペースを確保するということは、なかなか難しいことでしょう。でも少しづつでも工具を入手し、また使いやすいように工夫するのは楽しいことです。左の写真はボール盤とベルトサンダーです。

趣味の工作をするために専用のスペースを確保するということは、なかなか難しいことでしょう。でも少しづつでも工具を入手し、また使いやすいように工夫するのは楽しいことです。

手道具と電動工具

趣味として工作をするということはとても楽しいことです。日々の日常の中で自分が作りたいと思うことがらについて考えたり、またその内容や目的を深く知ってみようとするうちに、今までの自分には無かったような価値観を理解できるようになったりして、多少でも視界が広がったと感じる時などうれしい気持ちになったりもします。ぼくが工作に熱中しはじめた中学や高校生の頃は、主に手道具ばかりを使用していたので、電動工具についてはあまり興味を感じていませんでした。その後工作を進めていく内に手道具だけでは作ることが出来づらい製作行程に出合ったりする事多くなって、だんだんと電動工具の必要性や必然性を思うようになりました。でも実際に電動工具を使ったりするまでには、いくつかの障壁がりました。一つには騒音です。近所で家が建つ時など大工さんが電動カンナなんかを使っていると、あまりのその音の大きさに恐ろしささえ感じる程だったので、どうも積極的になれないところがあったのです。それともう一つには経済的な面で、まだ学生の感覚では電動ドリルでさえ高価なものだったからです。このような問題の背景には、ぼくが電動工具をそれまであまり使った経験がなかったことが一番大きかったかも知れません。つまりどのような目的にどのような工具が適切か、またそれぞれの工具にはどのような特徴があって、何ができるのかがよくつかめていなかったせいがあります。事実、電動工具は注意を怠ったり使用法が適切でなかったりすると、思わぬ事故になったりします。しかしお店に入って「試しに使わせてください」とはなかなか言えるものではありません。そんな折、中古工具を売っている所があると聞き、早速地図で調べてその町に友人たちと連れ立っていきました。それは東京は北区にある田端新町という場所でした。明治通りを挟んで左右におよそ百余店はあるだろう中古機械、中古工具の店、ぼくは電動工具と言えばトリルやジグソー、糸鋸ミシンくらいしか知らなかったので、見た事も聞いた事もない程の多種多様な工具たちに出合い、気が遠くなるくらいにワクワクしたのを覚えています。そしてまたそれらの各店で、ぼくにとっての問題点が一挙にはらわれていきました。たとえば電気を通じてその作動音を聞かせてもらったり出来るばかりか試し使いも出来、しかも廉価この上なく、何より道具の選び方まで教えてもらえ、一石何鳥と思いたくなるくらいこの魅力的な魔法の町との出合いが、ぼくの生活に多くの影響を与えたことは言うまでもありません。この町へ最初に行った時からもうすぐ30年くらいが経ちますが、今はその頃の活気とはもうすでに異なってしまいました。しかし時々自転車でその町にぼくは行きます。そんな時、新しい代のお店の人から「こいつぁどう使うんですかね?」なんて聞かれたりすると、いつのまにか覚えたことを得意になって話したりしていて、何か不思議な気持ちになったりするものです。電動機械だからといって手道具のようにデリケートな仕事には向いていないと思われる方居らっしゃるかも知れません。でも好みの違いや何かは在ったとしてもそれは使う側の問題で、いかなる工具も其の工具の特性をよく理解し手入れすることを怠ることなく刃物を切らせる用にいつも心掛けていれば、いろいろな事を彼等はぼくたちに教えてくれると思います。みなさんも工作をする上でそれぞれの特性をうまく活かして、各々のホービーライフを楽しんでみてください。

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これは大型の木工旋盤です。旋盤に慣れないで急にこの大きさを使用することは出来づらいですが、今回紹介している小型の木工旋盤も基本的には同じ構造なので、小型が使い慣れれば大型も使えるようになります。この旋盤は長さ1m強のものまで扱う事が出来ます。

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据え置き型のベルトサンダーでは最も小型なタイプ(右)。ベルトサイズは1インチX30インチ(約25,4mmX762mm)。それよりもう一段大きめのサイズでポピュラーなサイズのもの(左)。ベルトサイズは100mmX915mm。共に100V用です。

 

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小型の木工旋盤。アメリカのドレメル社製です。随分と以前に購入したものなのですが、今でも現役です。最近はいろいろと小型木工旋盤も発売されていますから入手しやすいでしょう。

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小品用のターニングツールです。金工用のバイトに当たるものでチゼルとも言います。

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ターニングツールの先は一見彫刻刀のようにも見えますが、本格的な旋盤用の工具と全く同じ形状です。

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小さな旋盤と言っても機械ですから作業台に作業中動かないように固定します。この場合は板に足のはまる穴を開けて動かないようにしてあります。

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作業を安全にそして確かに仕上げるのには機械の手入れと刃物の研ぎは欠かすことができません。ターニングツールはオイルストーンで丁寧に刃が丸刃にならないように注意します。

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上記の旋盤キットに付いていたプラスチック製のセンターゲージですが、自作も出来ます。このように丸棒や角棒の中心を求めてからセットします。

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工具や材料、また工作内容について配慮した上で、周囲を整頓して作業に入ります。

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木づち等でドライバーヘッドのかかりを刻印してからセットするとよいでしょう。

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写真右側のテイルストックに固定した後、工作しようとする材を手で回してみてツールレストに当たらないようにしてからレストを固定します。

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たとえばヤスリ等のハンドルを作ってみる場合、全体のサイズをまずスケッチしてから始めるといいでしょう。

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レストと被工作材との間はなるべく狭くしてターニングツールをしっかりと持ち、少しづつ調子を見ながら削っていきます。

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被工作材をナナメに削る場合、少し削る毎にレストもその形になるべく添わせるようにしましょう。

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木工用のヤスリ等も使用できます。只あくまでも強く押しつけず、削れる量のままに作業します。

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サンドペーパーの幅を細く切って軽く当てるようにして表面を滑らかにできます。サンドペーパーが巻き込まれないように注意します。

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また鋼でできたみがき棒(バニッシャー)を軽く当てて磨くこともできます。

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ペースト状のワックス等は指に付けて塗ってゆきます。布などにつけると慣れないと巻き込まれてかえって危険です。

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少しづつ広げてゆきますが、多く塗りすぎると飛散することがあります。

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また固形のワックスもいろいろあり、色付け等もできます。慣れてくると熱で溶けるシェラック棒なども使用できます。

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撮影の為に簡易に作りましたが、目的の工具を入れる穴を開けてからセットすれば、充分に柄として使用できます。もちろん溝を刻んだり自分専用の特殊な形状のものも作る事ができます。

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同じ型や大きさのものを数多く作るには鋼板を必要な形にグラインダー等で形成した後、焼き入れして使用します。写真は以前ドールズハウスの手摺を作った時のものを使っているところです。この場合最終的に抵抗が高くなるので、終盤になるほど力を抜いて作業します。

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中型のボール盤です(チャックは13mm)。先に話した田端で購入しました。もう20年以上使っていますが、故障したことはありません。今ではホームセンターでも扱っていて入手しやすい中型機械の1つです。

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チャックしめを磁石で付けるようにしています。チャックしめを無くしたりしないようにとチェーンで吊るしていた友人が、ちょっとしたはずみでチェーンが絡んで大変な事故になったことがありました。また昔のボール盤には手元を照らすライトが付いているものもあります。

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ボール盤は穴をあけるものですが、その他にもいろいろと使用できる機械です。たとえばワイヤーブラシでサビを取るのもしっかり両手が使えて便利です。

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ワイヤーブラシといっても多種多様にあるので目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

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ドラム式のサンドペーパーや木工用やプラスチック用のおろし金状のものもあります。

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このようなものは曲線で切った側の面をなだらかにしたりする時に有効です。

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またローターリープレーナーというものは板などの厚み出しの時使用します。

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ローターリープレーナーの裏側には3個のハイスビットが付いていて、低速で使用します。

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また写真のような皮製の丸板状のものもあり、その側面が平らや稜状になっていたりします。これらは青棒(酸化クロム)や研摩剤を付けて刃物の磨きにも使えます。

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ハンドドリルでは難しくてもボール盤ならフォスナービットで10cmくらいの大穴でも平らできれいな穴を安全にあけることができます。

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通常のドリルビットも0,2mm~13mmくらいまで0,1mmピッチで、また13~23mmくらいまで1mmピッチ(13mmシャンクの場合)で市販され必要なものを少しづつそろえるといいでしょう。他にインチタイプ等があります。手前のはドリル台です。

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金属等の大穴はホールソーを使用します。

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研摩を目的とした多数の先端工具。スポンジ状、サンドペーパーを回転羽状にしたものなど幅、径、硬さ、粒度等多種目的に応じて使いわけます。

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一般的なドリルビットにも各種材料や目的によって使いわけが必要です。左上から右下へとガラス用、アクリル用、テーパー孔用、118゜cカウンターシンク、プラスチック用、下部がきれていますが座ぐり式ビット2種、木工用、板ギリ、金属薄物用、金属用。

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特に大きな穴をあけるタイプの工具。

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穴の径を自在に変えらることができる大穴木工用ビット。

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中型ボール盤では1mm以下の穴や電子基板のガラスエポキシ系の板にはうまく穴があきません。その時には高速の小径用ドリルを使用します。

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中型のバンドソーです。サイズはそのブレードの長さで大抵大きさで把握します。このタイプはブレードの長さが1785mmのものです。木工用にも金工用にもあるいはゴム用にもブレードを変えることで対応できます。サークルカット用の治具が付いています。

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中は3つのホイールによってベルトを回転させ、そのうち1つがプーリーのベルトによってモーターから駆動する力を伝達させる仕組みになっています。

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時間さえかければ相当厚い木も経木のように薄く切ることもできます。ジグソーや糸鋸と比べると一方向に動くブレードで切断する為、切り口がキレイなのが特徴です。

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これはとても小型のバンドソーでブレード周は680mmです。精密な作業に適してます。

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サイズはブレード周1220mmですが、これはダイアモンドブレードを使用して3cmくらいの厚さのガラスや大理石を簡単に切断できます。

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本来ベルトの後ろにあるプレーンプレートをはずしてしまうと、彎曲した面の研摩や磨きに重宝します。

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これはドレメル社の小さなベルトサンダーです。ベルトには中位のテンションローラーがベルトに適度な張りを持たせています。

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またこのような小型のベルトサンダーには、別売りでフェルトベルト等が用意されている場合が多く、ポリッシュをする時に役に立ちます。

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かつてジャンクで入手した立って作業する台付タイプのもので200V3相型のベルトサンダー。音も静かでとても強力なのですがこの機械に合うベルトがなく、研摩材屋さんに特注しました。ベルトサイズは156mmX1227mm。

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ベルトサンダーは平面に木材を削ったりする時に比較的正確にそして迅速に作業できます。たとえばもう使いすぎて下端(したば)が変形してしまった鉋の台も御覧のとおり平面を容易に得ることができます。もちろんこれはあくまでもベルトサンダーの一例であって、鉋の下端の調整はもっと慎重にしなくてはなりません。

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ベルトサンダーの表面は使用前、あるいは使用後に専用のラバーを使って目づまりを取り、クリーニングをするとサンドペーパーの寿命が数倍から数十倍と長もちします。

これより以下のベルトサンダーは代表的なサイズのもので、大抵手持ちで作業する式のものです。このサンダーのベルトサイズは100mmX610mmです。力が強いので荒目の粒度で使っています。

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このサンダーはスピードを調節でき、また精密研摩用の治具が取り付けられるようになっていますので、細目の磨き等に便利です。ベルトサイズ76mmX533mmです。

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これは ディスクサンダーにベルトサンダーアタッチメントを付けて使用できる タイプです。ベルトサイズは15mmX550mmです。

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比較的部分の研摩に有効でベルトサイズは30nnX533mmです。

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細部の研摩に有効な小型のもので、ベルトサイズは10mmX330mmです。

小林健二(写真+文)2004年

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模型・工作用工具

子供の頃に作った模型のうち、出来の良いものはたいてい知り合いか、友人のとろこに行く。そうでもしないと置き場に困るというのが、モデルを作る人にとって共通の悩みのような気がする。仕事場の片隅のこんな状態を「どうしようかな〜」と思うのだけれど。

子供の頃に作った模型のうち、出来の良いものはたいてい知り合いか、友人のとろこに行く。そうでもしないと置き場に困るというのが、モデルを作る人にとって共通の悩みのような気がする。仕事場の片隅のこんな状態を「どうしようかな〜」と思うのだけれど。

模型飛行機と工作

今年2003年は、ちょうどライト兄弟の人類初飛行から百年目に当たる事を知る人も多いと思います。しかし模型飛行機の歴史はそれよりも以前に遡ります。当時の研究者たちは航空機模型を作りながらその思慮やイメージを深めていったわけですから、考えて見れば当然の事かも知れません。でも模型飛行機というと実機を模したものが戦後は多く作られたので、印象として実際の航空機よりも後になってこの世に登場したと思われる方がいても、おかしくはないでしょう。

一口に模型飛行機と言っても、それらはとても多様です。オリガミやキリガミヒコーキからラジオコントロールのエンジン付きのもの。スケールを中心としたソリッドモデルやプラスチックモデルなどです。そして模型飛行機は一部特殊なものを除いて大抵紙や木、あるいは樹脂などの、硬度はあまりないが比較的軽い素材を扱うことが多いので、今回はそんな工作に適した工具類を紹介してみたいと思います。

個人的な事で恐縮ですが、プラスチックモデルや模型飛行機との出合いが、ぼくが今のような工作に関係する仕事をしている事に深い繋がりがあるのです。子供の頃、ぼくはヒコーキに関わることで興味のないことは1つもなく、空を飛ぶことへの憧憬はぼくを空を飛翔する幻に夢中にさせ、また模型工作の世界に熱中させたのです。

プラスチックモデルを作ると、時々キャノピーが余ったりする事があります。そんな時カミヒコーキにそのキャノピーを取り付けて飛ばしてみたりすると、その小さな風防の透明な内側から、さもとても小さくなった自分が世界を逆に見ているような、そんな気がしてワクワクとしたものです。

ぼくが模型飛行機を作りはじめた昭和三十年代は、ちょうどソリッド模型からプラスチックモデルへ、またゴム動力のヒコーキからUコンなどのエンジン機、そしてラジコンヒコーキ等へと移行していった時代でありました。ぼくはガラスの部屋みたいな風防の大きな飛行機が好きで、日本、ドイツ、イタリア、フランス、チェコスロバキア等のものが大半でした。そしてそれらは大抵奇妙な姿のものばかりで、それらに対する興味は今でも変わりません。まだヒコーキが空を飛ぶのかどうか分らなかった時代からそれほど年月が経ってもいないのに、見るからに飛行するのが信じられないような、お化けや怪物のようなものが出現した頃の機体に、より心を惹かれました。しかし モデルを作りながらその資料を見る内に、それらはほとんど偵察機か爆撃機等で戦争のために製作されたものだと知り、子供ごころにも複雑な想いを抱かされたことは、また辛い確かな経験でもあったのです。

およそ百年以前の人々がやがて人類が空を飛ぶ日がやってきたらと願いながら、どのような姿や形の飛行体を夢見ていたのでしょう? またこれより未来の空にいかなる航空機が飛翔しているのでしょう?

そんな事を考えたり空を飛ぶというこの奇跡の発明が、いつのまにか悲しい歴史の道連れとされた時代を辿ってみたりする事も、模型飛行機が忘れてはいけない世界のある事を気付かせてくれるかも知れません。そして平和で穏やかな空の上を、緩やかに自在に巡ってゆくその軌跡を想像しながら、模型飛行機を作るのもまた楽しみなことです。

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ソリッドモデルは木で作ることが多い。キャノピーは大抵透明なプラスチックなどをしぼって作るが、基本的には木工。工作用のカンナなどは、手の中に入るような大きさのものが何かと使いやすい。入手が難しい場合は中古でいらなくなった鰹節削り器などがあればそれを利用して作ることもできる。地金の方から金ノコで切れ目を入れ、カバヅチで裏から軽くたたけば、好きな幅にすることができる。その後、刃の形を研ぎ、台を作ればよい。豆カンナのうち下の右から4つは自作。上の大きく見えるカンナは中型の物で、刃幅がスンロク(約50mm)。工具の自作も楽しみの一つ。

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これらは欧米でよく使用される洋カンナ。上はNo.4プレーンで刃幅は2インチ(約50mm)。小さいものは楽器用のものや細部用で、ソリッドモデルを作るのにはとても約立つ。

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もっとも小さいもの。刃幅はわずか7mmほどだが、小さなシャクリを付けるときに便利。

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ノコも小ぶりなものが使いやすく、小さくなければ使用できない箇所でも楽々作業することができる。上の胴付ノコも七寸(約210cm)なので、一般的には小ぶりな方。その下は縦目(7cm)、その下の横目(9cm)、その下の両歯畔挽き(約2cm)、右上は片歯畔挽き横目とその下が縦目。畔挽きは途中から切り込めるのでとても便利。

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ノミも、小さいものが、細かな工作には向いている。これらはもう何年も使って短くなってしまったものなどを、さらに柄を切ったりして使っている。このほか小刀や彫刻刀やキリやケヒキに至るまで小さな工具は楽しい。

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製図機器、コンパスやデバイダー、カラスグチなどは、ソリッドモデルを作るときに、いろいろな場面で活躍する。手前は十字に開いている比例コンパスで、図面からスケール取りするときに使う。

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バルサ材をさらに薄くしたり、テーパーを付けたりするにはバルサプレーンという、とても薄い剃刀の刃や、専用の紙のように薄い刃の工具を使用する。一見柔らかく軽いバルサは加工しやすく思われがちだが、ある程度精度を出した工作をするとなると、かえって難しい。例えば一番顕著なのはカンナがけ。よほど刃を薄く研いだつもりでも、バルサをむしってしまうことがある。バルサほど柔らかいと普通のカンナであとても難しい。

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バルサプレーンをバルサに使用するには、カンナをかけるというよりも、紙を削ぎ取るという感じ。斜めにしながらかけるのがコツ。

昔のモデラーのための雑誌(英語)

昔のモデラーのための雑誌(英語)

入手した欧米のホビー雑誌に(古本)に愛用していたカンナが出ていた。

入手した欧米のホビー雑誌に(古本)に愛用していたカンナが出ていた。

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バルサストリッパー。バルサ材を一定の幅にカットするもので、ちょうどケヒキに似ている。写真上部のノブによって微調整が出来るので簡単に自作できそう。一度使ってしまうと手放せなくなる。

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「チョッパー」と呼ばれるかわいい工具。バルサや工作材、プラ板の加工に適している。

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「マイターライト」とよばれる、とても細かな薄いノコ歯のついたもので、多少硬い木や竹、プラステックなども精度の高い角度で美しく切断することができる。写真下のアルミ製のものは、45度と90度にカットできるレーザーソーなどのガイド。

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「マイターマイスター」と呼ばれるカッター。自在な角度で工作材などをカットできる。8X20mmくらいの材でも楽にきれいにカットできるのには驚かされる。

アゴ(ジョー)の部分を取り替えることで、丸棒、角棒などにも容易に対応。

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バルサナイフのいろいろ。たいていはカミソリの刃を使用したりするが、下の2本は通常のカミソリ刃の半分くらいの薄さしかなくペラペラだが、バルサの切れ味は素晴らしい。

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歌川模型製の紙製鉄道模型の窓などを四角に抜いたりすることきに使う工具。薄いバルサやヒノキ材の加工にはうってつけ。

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ボール盤などに取り付けてハンドプレスの要領で角穴をあけるもの。下穴をあけておけば、20mmくらいの厚さでも楽に角穴をあけることができる。ボール盤を使う場合は電源を入れない。

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自作の竹ひご曲げ器。昔、模型飛行機を作るのに作ったもの。筒型ヒーターでまわりに巻いてあるニクロム線の長さを調節して竹ひごを曲げるのに適した温度になるように工夫した。右と左のアールを変えてある。使用中はネオン管が点灯する。

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コンパクトに作ったので、ヒゴの長さをかせぐため写真のように使用する。3mmくらいのヒゴだと、あっという間にきれいに曲がる。

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昔のスチーム器を改造したスチームベンダー。噴き出し口を棒状に細くしてある。

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水を入れヒーターなどで加熱するとすぐに熱く圧力のあるスチームが出て、3mm厚くらいのヒノキ材だと折れることなくみるみる曲面にすることができる。

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これらは世界で多種販売されている12Vミニパワーツールの一種。中心部の電源は強力で、4A以上の出力を一定に保つことができ、直流出力でもチョッパー回路を使用しているので超低速にしても、そのトルクを落とすことがない。左上より逆時計回りに、ベルトサンダー、パワープレーン、ハイトルクドリル、クロスソー、スウォードソー、ディスクサンダーなど。これらの工具は小さくでも力強く、音も静かで安全。

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クロスカットソー。このような12V工具にはもちろんジグソーはラインアップされているが、これはその一種。ジグソーやスクロールソーと呼ばれるものは通常下面に平らな板状の部分があるが、このクロスカットソーではそれがない。そのため3次曲面(例えばヒョウタン)のものでもカットできる。もちろん平面もカットできる。写真では12mmのカツラの単板を切ったところ。薄いベニヤや厚い板紙はカッターで曲線を切るのは大変。また普通のジグソーではかえって切れない。そんな時のためこの工具はある。

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ベルトサンダー。ベルトの幅は25mm。平面が欲しい時などに使用。大型のベルトサンダーと同じ効果が期待できる。

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電気カンナというと騒音が気になるが、鉛筆削りのようなスパイラルカッターなので、音がとても静か。

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ハイトルクドリル。とても小さなドリルなのに、6mmmでチャックにくわえられる。写真では25mm厚の木の板に12mmの木工ドリルで穴を開けているところ。100~750rpmくらいに可変できる。

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スウォードソーとはその名の示すとおり、剣のような感じ。写真は6mm厚のMDFだが、ペンを持つようにして自在な曲面で切断している。

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通常ならバタバタしてしまいそうだが、簡単に切れるのはその歯にある。写真のように2枚のブレードが、一つはおしきりに、一つは引き切りになっていて、それぞれが交互に前後しているので、力が相殺して安定している。

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ディスクサンダー。写真で見てわかるように、とても強力だが、200rpmくらいからの回転なので、手に触れても全く安全。

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ドレメルのコンパクトパワーツールズ。紙幅があれば子供の頃より愛着があるこの小さな工具たちについて色々紹介したいところだが、今回は目的に合ったものだけに止める。 パワーツールが工作するにあたり、静かで安全であることは最大の条件の一つ。写真中ほどの「モトツールモデル260」はまさにそのものだ。専用のスピードコントローラーもある。バッテリータイプで「ミニマイトモデル750」。一番上のカンディングガイドを付けた、通常サイズのドレメルのパワーツールと比べてもその小ささがわかる。

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木やバルサではあまり問題にならないが、プラスチックの穴あけでは回転速度が重要となる。プラスチック自体が柔らかいので、回転速度が速いものだと、その熱でプタスチックが溶けてしまい、正確に穴を開けることができないことがある。写真左の2点は低速モーダーで自作したもの。この2点のような低速モーターは、ギヤ式なので力もある。上部中央は細いモデル用ドリル。その他は指でつまんでドリルで穴を開けるもので、プラスチックモデルや木に少数の穴を正確に開けるのに便利な「フィンガードリル」というもので、0.4~2mmくらいまである。

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WAHL社のコードレス・ファインサンダー。充電式もクレドールに置いておき、使用する時には細く前後に振動する。サンドペーパーのアダプターやヤスリが各種ある。

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ルーターアタッチメント。左はプロクソン。右はドレメル製。それぞれ色々なルータービットを使用できる。注意しなければならないのは、それぞれコレットがプロクソンはメトリクス(メートル式)で、ドレメルは米インチ式であること。

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ドレメルのドリルプレス。このようなアタッチメントは自分の使いやすいように改造すると良い。

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特殊カッターのいろいろ。マスキングをした後に同じ幅でテープをカットしたりするパラレルカッターや重い自作のハンドル(下から3本目)のチゼルポイントカッターなど。ムク材のため重さがあってかえって細かな作業み適してるいる。

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特殊タイプのカッターは寝かせて使うことができるので、デカールなどのデリケートなものを壊すことなく作業できる。

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子供の頃から使っているクラフトツールチェスト。工作するときいつも使っていたもの。中身は入れ替わっているが、このようなセットに慣れ、今でも持っている方も多いのでは。

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一見、驚いてしまうほどまさに趣味的なカッター刃の研ぎ器。しかも実際の研ぎに慣れているものにはかえって使いづらいかもしれない。しかし砥石やホルダーに種類があったり、工作に対する文化を感じるほどの楽しさを持っている。

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プラスチックニッパー各種。ランナーからパーツをカットするときや、部品の一部を切り落とすときに有効。普通のニッパーよりはるかに薄刃で鋭利、パーツを美しく切り取ることができる。他の金属には決して使用してはいけない。左上の物は必要に応じて細く加工したもの。

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マイクロソーのいろいろ。各メーカーからゼンマイ用スチールのような薄い鋼でできた目の形や細かさの多種類あるので、プラスチックモデルやとても細かな作業に適している。

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マイクロブローチツールとリベッティングツール。ブローチツールはは押してヤスリのように使えるもので、リベッティングツールは本来別の目的のものだが、プラスチックモデルなどのリベットを打つのに便利なもの。

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マイクロブローチツールはスパイラル状の1mmもないほどの細かいもので、歯車状のリベッティングツールはこんな形状をしている。

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モデリングツール各種。パテなどの盛り上げやならしに使用する。各自が使いやすいように加工する。下のものは穂替式のパテベラ。

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線をひっかいて付けたり、溝を掘りこんだりするもの。

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写真下から2番目の拡大。軽くひっ掻くだけで、一定の深さに筋を入れることができる。

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削るといえばヤスリ(ファイル)だが、木やプラスチックを削るには木工ヤスリのようなラスプと呼ばれるものを使用する。一番右が比較的小ぶりな木工ヤスリなので、その細かさや小ささがわかる。

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昔は紙ヤスリというとあまり上等なものがなかったが、現在は上質のものが各種ある。写真中央の赤いものは、以前紹介した6mm幅だが、青は12mm、その下は77mm幅で、大きな平らな面が必要なときに使用する。一番上は2インチ、その下は1インチ幅で、ロールで買い、それを木製のホルダーに切りながら取り付けるタイプ。

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サンドペーパー各種。左のものは必要な分だけ指で切り取って使う。150,240,320,400グリット。後ろの板はサンドペーパーを1/3とか1/5にカットする板。手前のものはワイヤーヤスリで、左から0.8mm径200番、2.4mm径180番、1.5mm径120番。

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フィレックスファイルのサンディングパッド。1500,2800,3200,6000と番手があり、柔らかく多目的に使える。右の2色のものはプラスチックようで3種の番手が付いている。

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布製やスポンジパッドについたエメリーやサンドペーパーで、2400,3200,4000,6000,8000,12000と番手があり、透明部品の磨きに使う。

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一番左のスチールの板に細いエメリーやラッピングフィルムを貼って使うと、細かい隙間やデリケートな作業に有効。

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最終的な仕上げに使用するポリッシュクリームや穴埋めなどに使用するパテなど各種。

小林健二(写真+文)2003年

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あると便利な自作の治具や工具1

あると便利な自作の治具や工具(その1)

pro-tools-jisaku01治具や補助工具の自作

今まで何回かにわたり工作のためのいろいろな工具について紹介して来ました。それらの数はそれ相当にのぼりましたが、これらがすべて手元にあれば工作を楽しむ上で充分かと言うと、それは難しいかも知れません。逆に言えば実際の工作ではそれぞれの目的によって考えてみれば、それぼと多くの工具を使用することはおそらく無いでしょう。では後何が足りないかと言うと、それは治具や補助具と言われるものたちです。たとえばこれらは同じ長さに木の棒を切るためのしるし付けを楽にする、木切れのようなものであったりします。今回紹介するサラの木ネジを木切れに差しただけのしるし付け用など比較的たわいのないものから、時にはそれなりに工具と呼べるしっかりしたものまで無数にあるのです。それらはたいてい工作者にとっては手早く間に合わせのように作る事ができる反面、かけがえのない一つの大切な工具として高めていける多数の要素を含んでいます。かえして言えば完成度の高いいろいろな工具等も、このような先人たちの試行錯誤の中で反復しながら歩んで来た結果として、この世に残ってきたものとも言えるでしょう。ですから工作者自身の目的に最も効果を上げるためのこれらの治具等は、重要な工具の一つと言っても差し支えないのです。またこれら治具を自作する時、その目的や工作内容を理解していなければ、なかなか役に立つものは作れません。ですから、試作しながら思索することが、逆にそれらを把握しやすくするということもあるのです。ともあれ、治具を作るということ自体が工作なのですから、工作者にとってはこれもまた楽しみの一つになることは間違いないでしょう。では治具とはいったい何でしょう。治具とは本来英語のJIGという言葉の和訳です。本当に名訳だと思います。最近では大きな加工機械の補助用具やルーターなどのテンプレートのようなものを全体的にこのように

呼びますが、もともとはたとえばこんな時に使います。ある不定形Aの品物を万力に加えて固定しようと思います。しかし何せ不定形であるため品物を痛めることなくしっかりと固定するのは難しいとします。そんな時、どのようなものがこの不定形Aと万力との間にあればよいかと考えて作られるのが、スペーサーや補助具としての治具となる訳です。ですからこの治具は、その万力と不定形Bにとっては何の役に立たないこともあります。もう少し簡単な例をあげれば、ある材に126.7mmのしるしを多数付けなければならない時、特別な機具を用いず定規だけで行うとしたら結構大変かも知れません。そんな時正確にそのサイズにマーキングをした金属片などがあれば、作業を楽にしてくれます。まさにそれは一つの治具として、そして工作者の大切な工具として機能すると言うわけです。これらはいかにもアマチュア的と思われがちですが、工作好きの面々にはもちろん、実際のプロたちの現場で大変重要で、おそらく治具を作らず作業する方は一人もいないのではないかと思われます。今回はあくまでも治具の概念を説明するための工作となりますので、ちょっと便利な小物工具という感じのものを選んでみました。さらに皆さんの工夫を加えて使いやすくしてください。最初にご紹介するのは木の小片にサラネジを付けただけのものですが、工作者ならすぐに理解していただけるでしょう。一種の毛引きですが、これらは想像以上に効果を上げてくれます。もちろん作ることの簡便さもありますが、それよりもたとえば木工であれば毛引きによって木の繊維を痛めませんし、金工にもこの毛引きだったら刃が痛んでしまうという心配もない訳です。とにかく最初はその場しのぎの思い付きから作ったものも、使うことが多くなったりしてゆくと、思わずズボンのはじあたりで磨いてさらにしばらく眺めてしまったりというように、多少はずかしながらも愛着が沸いてくるものです。またその後もっと自身の工作技術を使って精度の高いものへと凝っていくことも自由なわけで、治具や工具を作るのが趣味なんていう人が出てきても不思議ではありません。このような言い方は、ダイレクトに自分を正当化しているように見えますが、今回の記事の為に製作したものは結構な数になり、製作途中を撮影のために中断しながらでもほぼ一日で作りました。しかも紙幅のため全部は紹介できなかったので、今回はそのうちの幾つかとなった次第です。まさに治具作りはそのくらい没頭できるということです。工作を楽しむ大事な要素は、自身の目的や作業内容の把握と言えますが、治具を工夫しながら考えて安全にすっきり仕上げていくことができると、さらに充実を感じさせてくれると思いま

す。また今回紹介させてもらう治具は、あくまでも一つの例であって、凡用性をあまり持ってはいないと考えてください。たとえばディプスゲージひとつをとってみても、作例では5mm程の径で150mmくらいの長さのものを作りましたが、目的によっては長さ10mmもあれば充分であったり、1m必要な時もあれば、太さも0.8mmでないとダメだったりすることもあるでしょう。これらはすべて工作するもの各々の必要性によって作られるからです。ですから、厚みの中心を割り出すセンターマーカーゲージも、いかにもあると便利と思われても、目的のサイズや使い勝手を考えると、かえって市販品として製品化しずらいという理由も分ります。

ですからまさに自作する意味があるとも言えるし、堂々と公然とそれぞれの工夫を加えた治具作りに没頭していただきたいと思います。

EZ LINE MARKER+SANDPAPER SIZING TOOL

どなたの工作室にもあるありふれたサラネジと木片等です。これらで手はじめに簡易な ラインマーカーを作ってみましょう。

どなたの工作室にもあるありふれたサラネジと木片等です。これらで手はじめに簡易な ラインマーカーを作ってみましょう。

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作ると言っても出来上がりの写真を示すことしかできない程ですが、いざと言う時に即実用となります。

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どこにでもあるコンパネの切れ端とネジとワッシャー、そしてもう切れが悪くなった金ノコの刃などです。これでサンドペーパーカッターを作ります。この工作は基本的に金ノコの刃をベニヤの切り口に当たるところにネジでしっかりと止めれば出来上がりということです。

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この赤や緑の線はサンドペーパーを切る時の見やす線です。たとえば赤は サンドペーパーを横方向に1/2,1/3,1/4…. と切るためで、緑は縦方向に同じことを示しています。

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サンドペーパーをサンダーのために1/3と1/6にカットする時にとてもきれいにできて便利です。切り口はサンドペーパーのザラザラ面を上にして、線に合わせてしっかりと押さえ、ただもう一方の手を下方に引けばよいだけです。

LINE MARKER

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少し凝ったラインマーカーを作ってみましょう。本当にそこら辺にある材料ですが、15mm厚くらいの木に テンプレートで楕円を書いたものに15mm,8mmの真鍮棒と5mmの金ネジ、平頭ネジ、ワッシャー等です。

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バンドソーで木の外形を切っていますが、この辺は使いやすいようにその都度考えてみます。

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切り口をベルトサンダーで滑らかにしているところです。すでに真鍮には15mmの穴が貫通しないようにあけてあります。

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木に入れ子式にしっかりと可動棒を固定するための金具を作るため、15mmの棒に8mmの穴を旋盤であけているところです。もちろん穴さえあければよいのですが、動かないようにささえてドリルであけても構わないのです。

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ここまでの材が出来上がりました。穴の径は入れ込む金属より多少小さい方がよいですが、接着剤を使用しても構いません。

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マーカーの刃に当たる部分はワッシャーで作ります。8mmの棒のはじに タップを立てて行うとよいでしょう。 ワッシャーはガタがこない程度に閉め、使用する時は回るようにしておきましょう。

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先端部分の拡大写真ですが、ワッシャーの部分はあまり出すぎないような、なるべく可動棒より少し大きめというくらいが使いやすいでしょう。

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可動棒をしっかりと固定するために止めネジを使ってと思い中央の真鍮部分までタップを立てようとしたのですが、タップの長さが足りないことに気付きました。

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行き当たりばったりの仕事ではこのようなことに出くわすことがあります。そこでネジの頭を軽く沈める程度に上部に少し大きめの座グリを入れます。

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ネジは15mmの同じ真鍮の棒と全ネジによって作ります。調度ぴったりのかざり段ネジはあまりないからです。只、5mm厚ほどに切った15mm丸棒と全ネジをくっつけるのに少しタップを立てておきたいのですが深い穴が開けられないので、そんな時は頭のトンガリを削っておくとよいでしょう。

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タップが切ってあってもこのネジが機械的に受ける力に耐えるようにするのにロウ付けが必要ですが、この場合は ハンダロウで充分です。

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きれいに仕上げるのにはネジをつぶさないように配慮してボール盤に取り付け、サンドペーパーで仕上げるとよいでしょう。

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ネジが出来ました。時間があればもっと丁寧に仕上げたいところです。

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一応全体のパーツができて組み立てることとなります。

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ワッシャーがコロコロと転がってマーキングされます。このラインマーカーはまさにケヒキと同じように使用できますが、木の繊維をケヒキのように切断しないで軽く押し付けてあとを付けるだけで、その後多少湿り気を与えてあげれば加工後線はすっかり消えてくれます。工作物にそんな跡を残したくないとお考えの方には一つあると便利でしょう。

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DEPTH GAUGE

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15mmのアルミ角材を弓ノコで切っているところです。ゆっくりやれば結構きれいにカットできます。

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上から弓ノコ(カットする材が厚いのでなるべく荒い刃を使います)、普通の糸ノコの刃、ヤスリ二種、加工途中のアルミ材、止めネジ、6mmの鉄棒。

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だいたいの形にヤスリ等で成形した部材

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必要な長さにカットし切り口を整えた丸棒とその棒が入り固定するためのネジ穴を開けた部材。そしてネジが主な部品です。

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組み上がった深さゲージ。これで同じ深さの穴を開ける時のゲージにしたり、定規が入らない穴の深さをとって、その後で定規で計ったりといろいろ使用できます。

THICKNESS CENTER FINDER

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この厚み出しセンターゲージの材料は今回20mmの真鍮角材、6mm真鍮棒、そして破損したシャンクが3mmの超硬のドリルビットです。これは0.5mmのドリルのはずだったのですが、ちょっと落としただけなのにただの3mmの棒となってしまったものです。結構高価だったので捨てるに捨てれずいましたが、今回は復活しました。こんなところも治具ならではです。

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先程のラインマーカーを早速使い、角材にしるし付けです。意外に使いやすく便利です。

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部品が一応そろいました。止めネジ(ホーローネジ)にぴったりなのがないので全ネジより作りました。

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ピンを本体に入れる時のコツはハンマーで叩き込んだりしないで、万力などの中心に挟んでゆっくりと締め付け入れてゆくと曲がらず正確にセットできます。

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出来上がりの全体です。25と刻印してあるのはそのくらいの厚みまで使用できるという目安です。センターのピンは本来何でもよく、この場合は超硬であったため青砥のグラインダーで尖らせてあります。ピンの出し具合は少なければ少ない程きれいにしるし付けが出来ます。

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この治具は2本のピンに加えることが出来る厚みの板にナナメにしてピンを常に側面を滑らせれば、いつも板厚の中心にマーキングができるというわけです。もちろん木でも作れますし、小型のものなら3mm厚でもその中心に線を正確にしるせます。

SELF CETERING PUNCH

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この治具はポンチが横から見やすいように面を落として作るとよい結果が期待できます。そんな時コロの穴径が入るドリルで穴を開けた後、ボール盤で45度の面トリビット等を利用するときれいな仕事ができます。

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必要な部分を木取りしてカットします。

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出来上がりの状態ですが、76とはこの場合のくわえ込み幅を表わしています。

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あらかじめスコヤ等でポンチを打つ場所にしるしを付けておきさえすれば、その中心に簡単にポンチを打つことができます。ポンチはローレット加工のシャンクのものが使いよく、そのザラザラで落ちることなく、また可動でもあるのでポンチはいつも半固定となり使いやすくなります。

BOARD-CENTER MARKER

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先程の厚みセンターマーカーをもっと長いものとすれば板の中心線を引くことができるわけで、作る理屈は同じで、中心のマーカーといつも同じ距離にピボットがあればよいわけです。

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写真では分りやすいように鉛筆を結構出してありますが、鉛筆の出方は少ない方がガタがこないで使いやすいでしょう。また鉛筆を抜き差し変えれば、別のサイズにも対応するというわけです。

CHISEL PLANE

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チゼルプレーンは直訳するとノミカンナということになります。写真は木の板を旋盤にかけてハンドルの部分を作っているところです。別にハンドルを後から付けても同じですが、旋盤があったので使ってみたというわけです。

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このように偏心した材を削る時は注意が必要です。この作例はあくまでも作り方の一例にすぎず、多少凝って作ってみたい時の参考というふうに思ってください。

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一応削り上がった本体、洋カンナのたまたまあったブレード、止め木となる部分やネジ、糸カズガイなどです。思い付いた時にノートに書いたスケッチの上に乗ってます。

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ブレードを挟んで固定するために、ぐらつかないように糸カスガイを打ちこんであります。46とは刃の幅です。

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出来上がりの写真です。個人的好みからちょっと古そうな感じに仕上げてあります。そして作ってみたら木の止め板が多少ぐらつくのでネジを足してあります。

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あり合わせの材で作ったため、ハンドルの部分に木の節がきてしまいました。この辺も自作の愛嬌ということで返って愛着となるかも知れません。

pro-tools048チゼルプレーンを使っているところです。このような工具は使い慣れると結構便利で突き止まりまで刃がいくので、カンナでは削れない箇所も刃が届きます。

HANDLED TOOLS

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木の板を少し加工し、ハンドルとしてそこにサンドペーパー、皮、砥石、セッケン等々を付けただけでちょっとした工具に早変わりします。

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使いやすいサイズを決め片側を弓ノコなどでカットし、その切り取ったもので反対側にしるしを付ければ簡単に左右対象のハンドルを作れます。

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それぞれを相応の接着剤でくっつけるだけで完成です。セッケンはその削り粉を少しの水で練ってパテを作り、それを接着剤とします。

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これらは以前に作ったものですが、皮などには青棒や赤棒を塗布して金属などを磨くのに使い、変形の面のものは彫刻刀などの研ぎの仕上げに使っています。

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セッケンのものは?と思われる方も多いかも知れませんが、ぼく自身絵を描くのが一番の仕事ですので、油絵具の付いた筆を洗うのに実はとても役立ちます。まだ十代の頃に最初に作った治具の一つとして紹介させてもらいました。

小林健二(写真+文)2005年

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あると便利な自作の治具や工具2

あると便利な自作の治具や工具(その2)

肩ならしのちょっとした工作。そんな時、治具や自家製工具を作ることはまさにうってつけです。そして自分の本当にやりたい方向と出合う機会にもなるかも知れません。 今回の記事のために作られた様々な治具や自家製工具。

肩ならしのちょっとした工作。そんな時、治具や自家製工具を作ることはまさにうってつけです。そして自分の本当にやりたい方向と出合う機会にもなるかも知れません。 今回の記事のために作られた様々な治具や自家製工具。

海外の豊富なアクセサリーや治具

何かを作って楽しむ趣味について言えば、日本での「ホビー」は一部のマニアと言われる高度な技術を持つ人たちを除くと、まだまだ始まったばかりといっても過言ではないでしょう。ですからホームセンターなどで電動工具を見てもプロ仕様のものが多く、 アマチュアが使いたいものと比べると、大抵は大きくまた力も強く作動音も大きいといったものが多数を占めています。しかも、小さく手ごろなホビー工具があったとしても、一般的にプロ仕様のものよりも生産数が少ないことから割高になるケースが多いようです。そのへんが「工作がとても好きな人」以外の「ちょっと何かを自作してみたいと思う人」を、実際にトライすることから遠ざけている理由の一つかもしれません。

また、ちかごろはコンピューターシステムの普及によって、インターネットを通じて海外の工具や工作材料のサイトにアクセスする方も増えたことと思います。そんな時にそれぞれのホームページを見て少なからず驚くことも多いはずです。なぜならホビー用であっても、たいていそこで紹介されている工具などは、日本では思ってもみなかったような豊富なアクセサリーやアタッチメントを市販品として有しているからです。個人輸入などで手に入れられれば問題ありませんが、いろいろなアクセサリーについては自作することもできるのですから参考になることも多いはずです。

工作をする前のウォーミングアップ

本来専用工具や治具とはそれぞれの目的に対して特化したものであるだけに、特殊なものや他には流用することができないことが多いものです。ですから、汎用な目的をもつ本誌のような書籍で著すのは、ある意味で矛盾する場合もあると思います。でも、工作好きの方なら分野を超えてこの記事がヒントになってもらえたらと思い、前回に続いていくつかの治具や自家製工具について、工作例を紹介したいと思います。

これら簡単な(多少そうではないものもあるかも知れませんが)工作は、まさに競技の前の準備運動のような側面を持っています。仕事でいつも工具を使うわけではない方が、急に電動工具を使用して思いもよらない事故を被ったり、そこまでいかずとも、材を間違えて短かめに切ってしまい、残念な気持になったりということもあるでしょう。またいろいろな工作をする上で、なかなか解決できない事柄によって前に進めずにいる時に、ちょっとした思い付きから作った治具や自家製工具でかえって楽しく作業ができたりすることもあるでしょう。常日頃、時間がありさえすれば様々な工作について考えていることは、まさに趣味としての一番の喜びでもあるです。自家製の工具や治具は一般的に市販されていないとか、自分の求めている用途や目的には多少沿わないとかいった折に作ることが多くあります。ですからここに示すものもまったく同じ例で作りたい思う方は少ないと思われますが、あえて作例としたのは、あくまでも目的に沿って考えればフルオーダーメイドとして自作できるという点です。

また近ごろはコンピューターシステムの普及によって、インターネットを通じて海外の工具や工作材料のサイトにアクセスする方も増えたことでしょう。そんな時にそれぞれのホームページを見て少なからず驚く人も多いはずです。なぜなら、大抵そこで紹介されている工具などは、思ってもみなかった様なアクセサリーやアタッチメントを有しているからです。何かを作って楽しめる趣味について言えば、日本での「ホビー」は一部のマニヤと言われる高度な技術を持つ方々を除くと、まだまだ始まったばかりといっても過言ではないでしょう。ですからホームセンターなどで電動工具を見ても、かえってプロ使用のものが多く、アマチュアが使いたいものと比べると、大体は大きくまた力も強く作動音も大きいといったものが多数をしめています。しかも、小さく手ごろなホビー工具たちは、一般的にプロ使用のものよりも生産数が少ないことからも、割高になるケースが多いようです。その辺が「工作がとても好きな人」以外の「ちょっと何かを自作してみたいと思う人」を、実際にトライすることから遠のかせている理由の一つかも知れません。でもいろいろアクセサリーについては自作することもできるのですから、参考になることも多いはずです。趣味とは土台好きで行うことなのですから、たとえば欲しいものの製作に、購入するよりも資金や時間がかかったとしても、換えがたい充実感が得られたりもします。工作する喜びには努力のあとの達成感も大きな要素の一つかも知れません。また失敗ばかりしながらも工作に熱中していけるような人はそれが特性であって、多分この世に生まれたその人なりの人生を見つけようとしている行為なのでしょう。それこそがある意味で趣味の真中にあるような気がします。

今回はサンドペーパーのホルダーやハンマーなどを作ってみましたが、わざわざ何で百円ショップでも売っていそうなものをと思う方もいるかも知れませんが、一度試してみてください。結構楽しいものです。

またぼくは自分の髪を乾かすのにドライヤーを使ったことはほとんどないのですが、絵具を乾かしたり工作する時々に結構役立ちます。以前から持っていたこの古いドライヤーは、もともと台が付いていて、立てて使えるようになっていたものですが、ぼくが入手した時はすでになくなっていました。ですので「ちょっと作ってみよう」と思ったのが今回の記事に至った理由でもあり、どうせ作るのなら角度も変えられた方がいいと考えたわけです。この一連の工作は思いの他いろいろな要素が含まれていて、木工加工、金属加工、そして塗装(今回は写真での紹介は省きました)などです。しかしながらこれが当り前の工作する姿で、様々な行程入ってくることがまた楽しみを増やすことだといっていいでしょう。それぞれに学ぶことが多く、それが何よりも工作好きをさらに深い世界へと誘ってゆくことでしょう。

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おなじみの小さなサーキュラソーテーブル。ホームセンターでもよく見かけるタイプ。

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この日本製の電動工具のためにアメリカで市販されているが日本では販売されていないアクセサリーの一部。とても目の細かく薄いハイスブレードやレジノイド製のものなど、多種あります。またリップフェンスに付けられるアタッチメントはとてもしっかりとしている。そして透明アクリル製のブレードプレートなど。写真には写っていませんが、他に切断幅を容易に決めることができるリッピングゲージやクロスカット用のスライディングプレートなどもあります。

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小さなテーパージグ。左側の小さな出っ張りに材をひっかけ、右側をリップフェンスにくっつけて押して、自在にテーパーを切ることができるもの。自作するのも容易にできるので参考にしてください。また小さくてもキックバックは危険なため、それをふせぐ水平方向と垂直方向用のフェザーボード。とても小さくかわいいが正確に作られていて充分実用的である。小さな万力は リップフェンスに取り付ける時のもの。

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この可動フェンスは少し説明しずらいですが、指で持っている部分をスライドさせるととても正確に少しづつ切断を可変できる仕組みになっています。しっかりとした銅製で、0~最大4ミリくらいまで驚く程微調整ができます。

ソルダーハンマー+マレット

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ハンダを使ってハンマー等を作ってみます。一番上のものが長さ18センチくらい。その下は樫で頭を作ってあり、その下2点がやはりハンダ製で、長い方が27.5センチです。ハンダで頭を作るというととてもやわらかく思うかも知れませんが、市販の鉛ハンマーよりは固めになり、ハードな使い方でなければ一生ものとして充分たえる仕上がりとなります。

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まず柄になる部分を用意する。作例では旋盤を使用しているが、木工ヤスリの荒いもので深めにキザミをつけてもいいでしょう。早い話が頭の部分の抜け止めです。

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柄の太さは自分の好みによって考える。ここでは15ミリくらいの棒から作りました。あまり太くしない方が小さなハンマー(作例のものはマレットと呼ばれるタイプ)は力の加減がしやすいように思います。

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ハンダを流し込む型となるものを木に穴をあけて作る。作例では20ミリで穴を深さ35ミリ程あけ、片方を30ミリくらいまで広げたテーパー状の形にしてみました。この場合使っているのは木工用の鬼目ヤスリ。

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また頭と柄との間を厚紙によって塞ぐ。もちろんハンダが流れ出さないためで、この場合は写真のように柄の左右からはめ込む式がいいでしょう。

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すでに作った型や柄を組み合わせてハンダを流し込む準備をする。作例では土台にしっかりとした紙筒を使い、センタクバサミで止めました。只ハンダは思いのほか熱くまた重いというのを忘れず型を作りましょう。

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錫60パーセント前後のものなら190℃くらいで溶かせます。その時ゆっくりと落ち着いて流し込むこと。もし失敗したと感じたら、あわてず作業を中断して冷えてからもう一度溶かしてやり直せばいいでしょう。

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ハンダが充分に冷えた後、型からはずす。もしはずしにくいならノミで木を割って取り出します。

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型からはずしたところ。このままでも使用できますが、ハンダのバリはヤスリ等で形を整えたり、また鉄のハンマーで軽く全体的に周囲を叩くと表面の強度が高くなります。

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このような小さなマレットは頭の部分を持って作業します。小さいといってもそれなりの比重があるので使いなれてくると小さい彫りものには欠かせなくなるでしょう。

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また型を木板によって作ることもできます。作例は三角の形をした特殊なハンマーでグラスハンマーと呼ばれるもの。型をしっかりと固定してハンダを流し込みます。また木の柄にはネジを貫通させて頭が外れないように工夫してあります。

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型から外したところ。一応出来上がりということですがこのままではとても重くなってしまいます。只どのくらいの重さになるかが分らない場合もあり、このことも考慮して型を作ってみました。

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さらに今使用した型を切りつめて小さなものを作ってみました。大小あるといろいろと重宝するからです

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後からこのようにハンダは金ノコで楽にカットできるということです。厳密にこんな形に最初から型をつくるより、外で調整した方が作りやすい面もあると思います。

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これらはヤスリで形を整えるが、目を詰まらせてしまいがちです。そのような時はチョークをあらかじめヤスリにこすっておいくといいでしょう。また、写真のような削り台を作っておくと何かと役に立ちます。

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グラスハンマーを使用しているところ。額縁や窓枠、あるいはガラスの入る扉などにガラスを針やその他の打ち込んで止める金具などで止める時に使用します。ガラスの面をスライドさせて軽く打ってゆく時、鉄製のものだとガラスにキズが付くことがありますが、ハンダなので比較的心配がいりません。独特な三角の形はもちろん打ち易い為です。

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またもっと軽いものが欲しい時には、小さな木製のマレットを作るのもまた自分用特別仕様となっていいものです。

アブラシブテープホルダー+ワイヤーブラシ

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この紐状あるいはテ-プ状のヤスリについては以前にもこの連載で紹介したことがあります。写真左から太さ0.76ミリ丸180番、太さ1.4ミリ丸120番、幅2.38ミリテープ150番、幅4.76ミリテープ150番といったものです。これらは用途によってとても有効で、製品としては0.31ミリから6.35ミリのものまで市販されています。

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しかし旋盤などの電動工具といっしょに使用する時、巻き込まれて事故を起こすケースもあるので、写真のようなホルダーを目的に合わせて自作するといいでしょう。

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細かくくびれたところなどについてもこのホルダーがあると安全に楽しく作業できます。作例では3X6ミリの平棒スチールを使い、刃寸100X50ミリくらいのもので作りました。

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止め具部分の仕口。ブラインドリベットで一方を固定し、他辺をネジでヒモヤスリを挟んで止め、細いものは穴を通してひっぱりながら固定した後にカットします。

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作例では幾つか作ってみましたが、いざ必要を感じてから初めて簡単に作ることができ、まさにウォーミングアップにはもってこいの実用品です。

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やはり以前に紹介したベルト状のサンドペーパー。この式のものはたいてい1インチ(2.5ミリ)幅なのでそのくらいの木切れと自分で工夫できる止め部分の金具によって、いくらでも自在にホルダーを作ることができます。

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例では金属を削って金具を作ったりしていますが、本来木辺でも充分です。また丸棒の止め具も締める程に引き込まれるのでキッチリと張ることができます。

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また単に切り込み部分で最初にベルトをはめて、終りの部分をクサビで止める方法は手ごろです。左のようにしっかりとテンションを与えたい場合は、このような式も有効です。

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弓状の部分があるものの作例。工作は至って簡単です。コンパスやナベの蓋などを利用して、あるいは自分の求める曲率のものをうつし、カットして止め具の位置を決めてもよいです。

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ベルトを画鋲で止めてもいいですが使用するとすぐに弛んでしまいます。そこでテーパーのついた木辺でとめています。

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写真のものはサンドペーパーの有効な使用面の長さは47センチ程あります。凸でも凹でも好きな形状のものを作ってみでください。

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またこのようなアルミパイプとスチール線を束ねて作ったワイヤーを使ってワイヤーブラシを作ることもできます。好きな長さにカットしたワイヤーをアルミパイプに入れて口金を押しつぶして固定します。固定が完了した後でぼぐしてみてもいいし、またぐらつくようなら瞬間接着剤で補強するとしっかりします。

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使い終った歯ブラシもその毛足をとても短く刈り込んだだけで多用途のツールへと変化します。只一見ハサミなどで短く毛を切りそろえられそうですが、案外簡単にはいかないので、一旦瞬間接着剤などで木辺や板に固定してからカッターで切ればいいでしょう。もし毛細管現象でブラシが固まってしまっても、ハクリ剤でもとにもどります。

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前頁のハンダの工作や簡単な旋盤技術でビット等を整理したりする台を作ることも楽しいです。このような場合、木製のものにも裏側にくぼみを作ってハンダを流し込んでおくと、重さが出て使い易くなります。

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もちろん四角い木や金属、あるいはアクリル樹脂によって作ることも有効です。右の作例は先端工具の取り付け方がネジになっていたり、ピンジャック式になっていたりするのを活用して固定できるようにしたものです。

ドライヤースタンド

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ドライヤーと台となる丸板。丸板はそのまま只の丸でもいいし、あるいはハンダも使って製作してみてもいいですが、今回はオリジナルの台に少し似せて製作してみました。

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このように15ミリくらいの比較的薄い板をさらに削るためには、裏に他の木を付けておいた方が安全です。

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金具を木の台となる部分に取り付けるために埋没式の雌ネジに合うようにダイスで8ミリの真鍮棒でネジを切っているところ。

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一見ダイスやタップは簡単に見えますが、まっすぐ使うには多少の経験が必要。一回し一回し丁寧に、加工する品物とハンドルがしっかり直角になっているか確かめながら作業することが大切です。左はうまく出来ているが右はナナメに切り込んでしまっているのが分ります。

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この写真は製作中の棒状の蝶番。曲げた板を棒のところにハンダ付けをするのにもあらかじめ中心にそれぞれタップを立てておいて、ある程度締め付けてからハンダ付けします。

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余分なところは後から切断して形を整えます。写真では中心の3ミリの全ネジを糸ノコで切り取っているところ。

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棒状の蝶番が出来上がったところ。

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このような埋没式の雌ネジを木部に叩き込むにしても、もしボール盤があればチャックにボルト等を取り付けてゆっくりと(もちろん電源は入れない)押し込むと安全に正確に作業できます。

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塗装して出来上がった台。金具を取り付けてみたところ。

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しっかりと角度を可変して作業することができた完成写真です。

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作った台にあえてファイバー製の道光を使っているところを写り込ませていますが、このようなフニャフニャのファイバーの先端を保持するものも自家製です。

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たとえばこれは何?という感じですが、このようなものは仕事場に溢れています。左のもののハンドルはまだ旋盤を持っていなかった頃作ったので、木工ヤスリで削ったりしたものです。

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何に使用するかと言えば木や金属の板などの表面にテクスチャーを付けるために使用しています。

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またこれらは自分のミニ旋盤のチャックをバーチカルに取り付けてタップなどを垂直に立てるための治具です。

pro-tool118例えばカンナの台などを自作する時、割り台で製作するとどうしてもコッパが出てしまいます。それをハンドルに使って作った木のマレットです。また古い木のクランプを模して作ったものです。

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ドリルのケースなども自作するのも楽しいことです。そして保管にも一役買うでしょう。いろいろまわりを見回すと工作の楽しみがたくさんあることに気付くっことでしょう。

小林健二(写真+文)2005年

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