ーいろいろなアイディアやプランを書き留めてあるノートをたくさんお持ちですが、これらは夢で見た世界を記したある種の「夢日記」のようなものなのでしょうか?
「確かに夢で見たものを書いたりしているけど、日記という几帳面なものではなく、その時手近にあるノートに絵や簡単な内容なども書いているので、全くその都度という感じです。」
ーすると、何年も前のものと最近のものがバラバラにページに書いてあるという感じですか?
「そうですね。」

「透質の門;西の門」 CRYSTALLINE DOOR ; THE DOOR TO THE WEST
木、紙、硝子、樹脂ロウ wood,paper,glass,wax resin
400X300X56mm 1999
6月の夢から覚めてもその世界の入り口についてすぐには忘れられない。その西の門をくぐるとき体が軽くなるような気がする。この光をとおす大きな石が磁石のように引き付けるのだ。

「アマゾナイトの不思議な塔」STRANGE TOWER OF AMAZONITE
鉄、鉛、石 iron,lead,stone
615X300X300mm 1999
夢の中の立体について;トロフィーのような形、その上にアマゾナイトで作られた大きなジャガイモみたいな形をしている。錆びたところはおそらく鉄だろう。特別な意味があるとは思えないが、ぼくの好きな形をしている。6月(1980)
ー今回の展覧会[惑星(ほし)の記憶ー6月7日物語(1999年)]のタイトルに、特定の日が付いていますが、どういうところから出てきたのですか?
「ノートには日付を書くときとそうでない時がありますが、たまたまいくつか似たような日付があって、ぼくは毎年同じような時期に同じような夢を見ているのかな、と思ったりして(笑)。その中で6月とか6月7日、あるいは7月6日という頃のものが何かところどころに会って、その辺のスケッチを中心に取り出してみたのです。」

「蝋のような眠り」DREAMS IN WAX
板に自漉紙、軟質ビニール、ロウ、テンペラ
handmade paper,soft vinyl,wax,tempera on board
1230X760X30mm 1999
ロウのような眠り、明るい室内には静かな呼吸と気配がある。鎧戸の隙間をとおして、淡く光を放つそよ風のような物体が部屋に入ってくるらしい。ゆるやかにオルゴールのように回転していて小さく歌を歌っている。まるで遅い中性子星のように抑揚をつけて遠い過去や未来を想いだす。6月7日明るい日(おそらく’89年)
ー作品には何か一種のメタファーや意味があるようにも感じるのですが、そのあたりはどうなのですか?
「夢の中の出来事と言ってしまえばそれまでなわけですし、その本人がスケッチを見て、こんなものがあったのかと思うくらいだから、この頃の夢にどのような脈絡があるのかは自分でもよくわかりません。」
ーでもそれぞれに何か不思議な世界を感じます。こんな風景が「惑星の記憶」というように何処かにあるような。
「ぼくにも実際説明できないけど、何かの機械の一部や発掘物、あるいは生き物のようだったりするものたちが、どこともなく関係しているような気がしないでもないし、ただそれらはみんな夢の場所の出来事ですからね。」

「薄荷のような出来事」 HAPPENING,IT’S LIKE A PEPERMINT
板にボローニャ石膏、ポリカーボネイト、樹脂、テンペラ、ローズ合金
plaster of Bologha,polycarbonate,resin,tempera,rose’s alloy on board
940X730X80mm 1999
はっかのような出来事が、晴れ渡った白い世界に出現している。それらはそれぞれ語りあい歌いあう。香りの良い風に似たその歌は心地よく目には見えない地中深くに銀色をした稲妻は封じられていて、謎は時間とともに止まってしまう。

「ピンク色の飲料水」 BEVERAGE IN PINK
銅張特殊鋼板に木、油彩、テンペラ、樹脂ロウ
wood,oil,tempera,wax resin on bronze covered special metal board
1000X800X40mm 1999
建物のようなこの物体は、見晴らしのよい食堂や何かの昆虫みたいであったりするのだが、実は飛行体で、今はピンク色の飲み物をとって力をつけている。出発は6月7日である。あるいは21日。誰の目にも旧式に見えるが、この型はめずらしくて、そのすじでは名が通っている。光は金色から青色へと、そして透明になっていくのだ。
ー話はかわりますが、平面や立体の作品はそれぞれ色々な技法や素材で製作されていますね。そこには何かこだわりのようなものがあるのですか?
「こだわりというよりも、ぼくにとってイメージを伝えるのに、平面や立体の方が表しやすく感じたり、水彩やテンペラより油彩画の方が向いていたり、その逆だったりする時があるというだけです。」
ー「夢」のようなその人以外からは見えにくい世界を表そうとするためには、かえって現実的な技術や技法も必要かもしれませんね。
「そうですね。そしてまたぼくは色々な古典画法、例えばテンペラやフレスコ画、エンコスティック(蝋画)などに若い頃から興味を持っていますし、透明な液体ガラスを媒剤とするステレオクロミーのような技法にも魅かれるので、それらを勉強することも好きだからだと思います。」
ー確かに蝋のような質感や透明な水ガラスの層、スタッコの盛り上がった感じは、独自な表現ですね。そしてそれぞれの作品に文字が付いているのも面白いですね。
「ノートの中の覚書にはスケッチと短い文章が付いていましたからね。でも文章を読むと、もっと意味がわからなくなってしまいそうですね(笑)。」

「巨きな生き物の平原」HUGE CREATURE’ S PLAIN
板に油彩、樹脂ロウ、鉛、硝子、鉄 oil,wax resin,lead,glass,iron
1300X1670X80mm 1999
初夏の夢は大抵いつもゆっくりと、そしてうっとりとしている気がする。暖かく涼しく、そして眠い。大きな生き物たちも霧かもやの中で穏やかでいる。青色の液状平野から、光色のエネルギーを吸い上げている三対の柱をもった生命体はときどき夢の平原のどこかしらに出現していたらしい。そのものは長い時間貯えた成分を虹のような香りや風のような音律にかえてその上部より上方へと世界を楽しませる為に解き放っている。この次に出会った時にもっとその姿を眺めてみよう。そして出来たら少し話しかけてみよう。初夏の国の不思議な風景の中。
ー小林さんの作品は、頭で考えるというよりも何かもっと説明できない領域にメッセージや詩のようなものを感じる人が多いと思いますが。
「ぼくに取っても合理的に説明できなかったりする部分や言葉に置き換えにくいところが、絵になって出てくるように感じでいます。ですから「この絵は何ですか?」と問われても、すぐには答えられないこともあるんです。でもこんな気持ちで絵を描いている人ってぼくはいるように思っているんですけど。」

「何かを探している」LOOKING FOR SOMETHING
板に油彩、樹脂、ロウ、鉛筆 oil,resin,wax,pencil on board
615X465X55mm 1999
何かを探している。時折その人形は歩き始める。それは何かを探しているのだ。心の中に謎がおこって、その在処を探しているのだ。疑いを持つ時、その人形はいて、信じるものを見つけた時、その人形は消えるのだ。

「旅人たちは探されている。石は謎を問いかけている」TRAVELERS ARE SOUGHT,ENIGMAS ARE QUESTIONED BY STONES
木、鉄、石 wood,iron,stone 650X438X218 mm 1999
旅人たちは探されている。石は謎を問い掛けている。この風景を見ているとぼくは夢を見ているのだと知っていた。なぜなら、門のように見えるのは一つの結界で、その狭間から見える世界は蜃気楼のように揺らいでいる。
*2000年のメディア掲載記事を抜粋編集し、画像は付加しています。
![[サイラジオ:透質結晶受信機(PSYRADIOX:ICE CRYSTAL RECEIVER)] 木、合成樹脂、電子部品、他 (透質結晶が青く光りながら回転し、同時にラジオも受信する)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/psyradio01.jpg)



![鉱石ラジオキット[銀河1型] 6,000円(税抜き価格) 仕上がり寸法:H75XW190XD120mm 部品表 ケース/エナメル線/ツマミ(黒ベーク)/スパイダーコイル巻枠/鉱石ターミナル(赤2、黄1、緑1、青1)/ナット7個/ワッシャー(小)9枚/ワッシャー(大)4枚/バリコン/透明リング/ネジ(3×10/1個/バリコン用2個)/ドライバー/銅線 S字/鉱石検波器(本体+針)/説明書/クリスタルイヤフォン/シャフト/ベークカラー/ハンダ/サンドペーパー/ゲルマニウムダイオード キットの組み立てには、ハンダゴテやペンチなどの工具が必要の場合があります。 バリコン以外は鉱石ラジオ発足当時の原形をとどめるとも言えるキットです。黒色紙製スパイダーコイルにさぐり式検波器を装置しています。このさぐり式の鉱石ラジオは、最も象徴的な形式です。 この銀河通信社製鉱石ラジオは東洋に於いては始めて作られたさぐり式の鉱石ラジオキットです。当社では数種のさぐり式鉱石ラジオキットを製作しておりますが、安定性と感度を期待できる組立キットの1つと言えるでしょう。みなさんも、この結晶式受信機によってあなたの透明な通信を受け取ってください。(説明書より抜粋)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/ginga1-1.jpg)
![鉱石ラジオキット[銀河2型] 5,000円(税抜き価格) 仕上がり寸法:W11XD16XH9cm 部品表 ソレノイドコイル用紙筒 /エナメル線 /木の板 /バリコンセット(ポリバリコン+ツマミ)/鉱石検波器(本体+針)/クリスタルイヤフォン/鉱石ターミナル(黒2)/ハンダ/サンドペーパー /ゲルマニウムダイオード/画鋲 2個/銅線 S字/説明書/木工接着剤/鉱石ラジオ用ニス 尚、キットの組み立てには、ハンダゴテやペンチなどの工具が必要の場合があります。 バリコン以外は鉱石ラジオ発足当時の原形をとどめるとも言えるキットです。2型は紙筒ソレノイドコイルを使用し、さぐり式検波器を装置しています。このさぐり式の鉱石ラジオは、最も象徴的な形式ですが、今まで我国でキットとして発売されたことはありませんでした。当社でも初期に設計、デザインが仕上がった組立キットの1つです。 鉱石ラジオの構造が分かりやすく配置されており、子供から大人まで手作り感覚が楽しめるキットです。](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/ginga2-1.jpg)


![小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成] 6月19日(日) 14:00-16:00(13:30開場) 会場:メガラニカ(Magallanica)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.19t-3.jpg)
![[青色水晶交信機]の中の構造を見せているところ](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.19t-1.jpg)
![人のオーラを感じて水晶の中に光が現れたり消えたりする作品[CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER ]の実演](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.19t-4.jpg)
![「CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER 」 木、結晶、電子回路など wood,crystal,electric circuit,others 240x200X150 1992-1994 [CRYSTAL OF AZOTH(霊の鉱石)]とは本来セファイドの水の結晶です。その結晶の左側に陽性起電微子を、その右側に陰性消失微子を発生着帯します。アレフ(空あるいは風)、メム(水あるいは海)、シン(火あるいは熱)のそれおぞれ緑、青、赤の色彩成分をアゾト(霊あるいは意識)によって封じられた結晶なのです。この結晶はアルプス地方に産する明るい煙水晶で、その中に極めてわずかに見つけられる古代セファイドの水を含有したものを使用します。その左側に手をかざすと陽性起電微子ーAZOTHIN(アゾシン)の一種によって発光する場ができ、右側においてはその反対の作用が起ります (左の柱に手をかざすと水晶内部にゆっくりと光が現れはじめ静かに色彩が変化する。右の柱に手をかざすとまたゆっくりと消える)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.19t-6.jpg)



![[MAMA] 1977 黄麻に油彩、膠(コーヒー豆の袋を解いてキャンバスに仕立てている。七宝焼のような青色は自作絵の具)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/chugaku-05.jpg)
![[夢みる結晶 1-Dreaming Crystal 1] 1985 石、樹脂ろう、ガラス、金箔、電子部品、硬石膏、パステル](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/cyugaku-03.jpg)
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![[PSYRADIOX] 1986 木、ガラス、電子部品 (作品上部にある透明な球が、ラジオの音声に同調して色々な色に変化しながら明滅する)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/cyugaku-04.jpg)
![小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成] 会場:メガラニカ(Magallanica)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.11t-10p.jpg)

![[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園 そしてサファイヤの書物] を見せているところ。](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.11t-6t.jpg)
![[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園 そしてサファイヤの書物] 「鉱石ラジオ」という言葉のイメージから製作された作品の一つ。音声に同調して部分的に結晶が白く明滅し、レンズに映る鉱物のみがゆっくりと回りながら赤く輝く。](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.11t-rn.jpg)

![小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成] 会場:メガラニカ(Magallanica)](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/06/2016.6.4t-10.jpg)

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![展覧会図録[紫の安息-ASTEROID ATARAXIA]の中で小林健二のバックグラウンドが紹介されている。](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/05/hanga03.jpg)
![展覧会図録[紫の安息-ASTEROID ATARAXIA]より。出版:オネビオン現代美術ギャラリー](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/05/hanga04.jpg)

![画像は小林健二作品[EUINFINIS(無極放電管の作品)]の一部](http://ipsylon.jp/wp-content/uploads/2016/05/2016.6-04.jpg)























