月別アーカイブ: 2016年4月

小林健二の造形世界ー素材・道具・技法をめぐって

ーイメージとして求めるものによって、 結果もプロセスも全部が変わる。

(小林のアトリエで 小林自身が工夫して作ったり、中古て買い集めたおびただしい道具を見たり、道具にまつわる話を聞くのは興味が尽きないものがある。)

木工旋盤や中型のベルトサンダーが見える。

木工旋盤や中型のベルトサンダーが見える。1992年頃の小林のアトリエ(一角)。

道具や工具というのは色々ある 。それぞれの適材・適所・適性で使ってやれば、とにかく色々なこ とをしてくれる。何をしてくれるかといえば、やっぱりその人のイメージをより具体化し、現実化することによって 頭の芯にしかなかった何かわけの分からないものを自分にも、自分以外の人にも見せることができる言葉に置き換える翻訳機械である、そういう感じがしてますね。

パレットや絵の具を練るためのガラスの棒(モレット)や大理石の板(スラブ)、あるいは特殊な画溶液など。

パレットや絵の具を練るためのガラスの棒(モレット)や大理石の板(スラブ)、あるいは特殊な画溶液など。

めのう棒のいろいろ。油絵やテンペラでツヤを出したいところや、金や銀や錫、鉛などの箔をみがいたりするのに使う。

めのう棒のいろいろ。油絵やテンペラでツヤを出したいところや、金や銀や錫、鉛などの箔をみがいたりするのに使う。

ただ 道具についていえば、ここに世界中から百人の人を呼んで、例えば30センチ角の同じ木を与え、3センチ角の深さ10センチの穴をあけるのに自分の好きな道具を選んでやりなさいと言った時 みんな同じものを選ぶわけじゃないよね。

生活のスピードや手の大きさ、経験や老若男女でもちがってくると思う。色んな要素があるから、逆に道具の方がそれに合わせようとして増えていくわけでしょう。そうすると極端なことをいえば、人の数だけ道具があるって考えてまちがいないんですよ。もっと話を進めれば、素材と道具と技法、この三つは本当に深く結びついている。例えばここに一つの石を切ることを考えたら、それをとにかく速く切断したいか、ゆっくり自分の思った形にしたいか、それだけで道具も技法も変わってくる。

すなわち、イメージとして求めるものによって、結果もプロセスも全部が変わる。だから素材・道具・技法というものを短絡的に目的というか、イメージも考えずに並べれば、この素材を切る時はこの道具でこんな方法でってことが言えても実際の場では必ずしもそれで説明したことにはなりえないことがあるわけですね。なぜなら、実際作る上で一番大きいのは、ものを作る間でも実は学習しつつあるということなんです。もし機械製品を作る会社で、製品も数量も何もかも決まった行為の中て成り立つなら、それでいいんですけど 、ぼくは今 あくまで個人的なレベルてものを作る人聞のことを頭において話してますから、それは決定事項にはならない.。

いろいろな筆。サイズ、材質がまちまちである。

いろいろな筆。サイズ、材質がまちまちである。

これも例の一つですけど、自分はザラザラした表面のものを最終的に作りたかったとしますね。それで何か工具を使って作ったんですけど、その工具で切削したら、きれいな切削面ができた。そして、その切削面が きれいだというそのこと で、これまた二つに道が分かれるわけです。

「ああ こんなにきれいに切れる 、こんなにきれいな切削面がすごくいいんだな」って思って、それで新しい発見をしたこともあるでしょ う。でも 逆にその発見に流されてしまって、最終的に自分の思っていたイメージよりも、切削面がきれいだったが故に全部をツルツルにしてしまって、作ったものが自分の最初のイメージと全然かけ離れたものになるってこともあるわけですね。ただ それがかえっていいこともありますけど、途中で学習したことは学習したこととして一つ抑えといて、最終的に自分の作るものは、最初に作りたかったものに導いていくってことも あるわけですよ。だから 道具に使われてしまうってことも、どちらがいい悪いの問題じゃなくて、そういう要素がものを作っていくと多分に出てくるでしょう。それを自分の中でうまく振り分りて、自分が最初にやりたかったことをそれなりに見ていく。ただ 最初にやりたかったこと以上に意にそうものであれば、そっちを選択すればいいわけだけど、結局  ぼくみたいな有機的な作品を作る人聞は、機械の作る機械的な肌に最初一瞬ひかれることもあるわけですね。でも、それに行ってしまって、最終的にできあがったものが自分の作りたかったものと全然ちがってしまえば、イメー ジの意味がなくなってしまうわけですね。だから、途中なら途中で、切削面がピシっとしたいと思うときは、この機械はいいんだなって分かるわけだから、後々のためには大事なわけですよ。

石や木や金属などのサンディング(磨き、削り)などに使われる工具。このほかに切断や穴あけなどの工具もある。

石や木や金属などのサンディング(磨き、削り)などに使われる工具。このほかに切断や穴あけなどの工具もある。

いろいろな電動工具。騒音を嫌う小林は、ほとんどが特殊なモーターやシステムによって、とても静かにドライブできる電動工具を取り揃えている。

いろいろな電動工具。騒音を嫌う小林は、ほとんどが特殊なモーターやシステムによって、とても静かにドライブできる電動工具を取り揃えている。

それと道具を選ぶ場合など、最初からあまり切れないノコギリで、コリゴリやって苦痛を感じた人と、気持ちよく切れた人とでは、その後に与える影響はずいぶんちがう。確かに道具の問題だけではないけど、決して小さくないことだと思う。いいノコギリは無頓着に使えば、折れもするし歯もこぼれる。大事にしないとならないけど 安くはないという理由だけじゃなく、少しずつわいて来る愛着は素敵なものです。あくまでもぼくの考えですが、最初からいい道具を買って、それをずっと大切に長く使おうってことの方が無駄がなく、またその道具に対する接し方なんかも変わってくる。ケースにもよるけどね。だからその場合はいい道具とは何かを知らなければいけない。そのためには、それを知ろうとする行為もまた出てくるわけですよ。それだから、ぼくみたいに大ざっぱで掃除もしない人間がね、カンナ研いだり、刃物調整したりとか、工具の手入れをほんとにやりますよ。メンテしてやるのは、そりゃ一生懸命働いてくれたから、ホコリとってあげたりね。だから、ぼくの使ってる道具は みんなきれいだと思う 。使いこまれていくからね。手入れはほんとに好きだよね。

(ものを作る行為 が、 個人のレベ ルで問題にされるかぎり、道具も当然個別化される。自分の目的に合わせて、その都度、その局面での道具が具体的に必要とされるということだ。それは、作る喜びと苦しみの中で出会える道具とのかかわり方と言えるかもしれない 。小林の道具論からは、精神と物質をとり結ぶ 道具に注がれた愛情あふれる連帯感が伝わってくる。)

( )内は質問者であり、インタビューをまとめた十川氏のコメント

*1992年メディア記事より抜粋(画像は掲載された写真の中より一部を紹介しています)

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樹脂の加工

樹脂を型に流し込んでものを作る方法を覚えておくと、工作の幅がぐんと広がっていきます。ツマミなどのちょっとしたアクセントになる部分を作ったり、時には小さなラジオの筐体(きょうたい:ケースのこと)を作ることもできます。

型取りした色々なツマミ

型取りした色々なツマミ

ラジオの筐体(ケース)

ラジオの筐体(ケース)

注型する樹脂には幾つかの種類があります。代表的なものをいくつかあげておきます。

1 不飽和ポリエステル:俗にFRP(Fiber Reinforced Plastics 繊維強化プラスチック)に使われるものの仲間で、透明性が高くきれいな材料です。しかし扱いがうまくないと、いつまでもベタベタしたり、早く固まりすぎて反応が激しいと発熱して割れてしまったりします。また、体積の縮みが少しあり、少々脆い場合も生産会社によってあるようです。使用法はそれぞれの説明書に従ってください。

2,エポキシ樹脂:透明性も高く、縮みもほとんどありませんが、タイプによっては硬化時間が長くまた少々高価です。

3,ポリウレタン樹脂:硬化時間が早く扱いも楽で、ポリエステルのような強い臭いもあまりなく、比較的安価です。ただ、透明性はありません。しかし、最近は透明性の高い注型用のウレタン系樹脂もあります。作例ではポリウレタン樹脂を使用しています。これは同量の2液混合型であらかじめ必要な量をはかっておいて使います。

たとえば樹脂でツマミを作るとします。それにはまず原型を作ります。

写真では小さなホビー用の旋盤を使っていますが、もちろんボール盤で作業できます。旋盤で作業できる場合はバイト(チゼル)という工具で削りますが、写真で見るように刃物を安定して使うための台(レスト)の部分がボール盤にはないので、木工のヤスリで作業をしたほうが安全です。

写真では小さなホビー用の旋盤を使っていますが、もちろんボール盤で作業できます。旋盤で作業できる場合はバイト(チゼル)という工具で削りますが、写真で見るように刃物を安定して使うための台(レスト)の部分がボール盤にはないので、木工のヤスリで作業をしたほうが安全です。

また原型は粘土で作ったり、 ビンのキャップを利用したり、市販のツマミを利用してもよいでしょう。

型取りにはシリコンゴムを使います。たいていは主剤と硬化促進剤(キャタリスト)の組で売られています。型取りをしたい原型を効率よく並べ、まわりに壁を作ります。あるいは写真左のようにプラスチックのカップ(たとえばペットボトルを切ったもの)等、身近なものを利用することも出来ます。あらかじめ原型に離型剤を塗っておくとよいでしょう。

型取りしたいツマミなどを並べ、写真のように木の端材などを利用して土手を作ります。

型取りしたいツマミなどを並べ、写真のように木の端材などを利用して壁を作ったり、あるいは調度いい大きさのカップなどを利用。

型取り用のシリコンゴムはたいてい粘度のある白っぱい液体です。細く糸のように原型にかけてゆくと気泡が入らずうまくできます。

型取り用のシリコンゴムはたいてい粘度のある白っぱい液体です。細く糸のように原型にかけてゆくと気泡が入らずうまくできます。

一昼夜あるいは早いもので数時間後にシリコンが固まったら原型からはずし、離型剤を塗っておきます。シリコンは柔らかいので簡単に成形物を型からはずすことができます。

それぞれの樹脂の使用法に従い、型に注ぎ入れます(写真6)。ただ、ポリウレタン樹脂は、気温や室温が高いと2液混合後1~ 2分で硬化する場合があるので注意をしましょう。

それぞれの樹脂の使用法に従い、型に注ぎ入れます。ただ、ポリウレタン樹脂は、気温や室温が高いと2液混合後1~ 2分で硬化する場合があるので注意をしましょう。

樹脂が完全に硬化したところを見計らって、シリコンの型から成形物を注意して取り出します。

樹脂が完全に硬化したところを見計らって、シリコンの型から成形物を注意して取り出します。

成形物のバリを削り、裏が平らでなければ平らな板の上に敷いたサンドペーパーで削り整えた後、中心を求めます。その際センターゲージがあると便利です。

写真のようなセンターダージ、あるいはセンターヘッドと呼ばれるものを使うととでも楽に作業ができます。写真上部のもののは自作したものですが、これは直角なL字型の真ん中45度のところに直尺がついたもので、常にこれに当てた円の中心を通る線が引けるというものです。ですからセンターダージを当ててツマミを少しずつ回転させてしるしをつけ、交点を求めれば中心点が出ます。

写真のようなセンターゲージ、あるいはセンターヘッドと呼ばれるものを使うととでも楽に作業ができます。写真上部は自作したものですが、これは直角なL字型の真ん中45度のところに直尺がついたもので、常にこれに当てた円の中心を通る線が引けるというものです。ですからセンターゲージを当ててツマミを少しずつ回転させてしるしをつけ、交点を求めれば中心点が出ます。

中心を求めた成形物に穴をあけ、この場合外径10mm、内径6mmのスペーサーを入れ、スペーサーの出っ張った部分を金ノコで切った後、瞬間接着剤でつけであります。

中心を求めた成形物に穴をあけ、この場合外径10mm、内径6mmのスペーサーを入れ、スペーサーの出っ張った部分を金ノコで切った後、瞬間接着剤でつけであります。

成形物の横から垂直に中のスペーサーの中心へ向けて、2.5mmで穴をあけているところ。

成形物の横から垂直に中のスペーサーの中心へ向けて、2.5mmで穴をあけているところ。

3mmのタップを立て、そしてスペーサーのところまでの樹脂のところを3.5mm位で穴をもう一度あけて、3mmの頭なしのネジを入れればできあがりです。

目盛りをもっと際立たせたければ、原型であらかじめ掘っておいたところに明るい(ときには暗い)色をへこんだ部分にゴムベラ等で埋めるとよいでしょう。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

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ヴァリコンの製作について

戦前から1960年代くらいまでの少年向けのラジオエ作の本や雑誌を見ていると、 ときどき誰がこんな高度なものを作るのだろうと思うような記事に出くわすことがあります。しかし、そんな中にもヴァリコン、ヘッドフォン、クリスタルイヤフォンの製作記事は発見できませんし、往々にしてそれらは個人では製作不可能なものとして紹介されています。

おそらくその時代にヴァリコンの製作をいちばんむずかしくしていたのは、アルミ板が高価で入手できなかったことでしょう。

これはぼくが作ってみたヴァリコンですが、実際に作ってみると、一般の工作術から考えた場合、決してむずかしいものではありません。

(写真の左(A)と右(B)は実際に鉱石ラジオに組み込みました。中央は1910年ころのヴァリコンを写真で見て作ってみたもの。ともに容量直線型です。

写真の左(A)と右(B)は実際に鉱石ラジオに組み込みました。中央は1910年ころのヴァリコンを写真で見て作ってみたもの。ともに容量直線型です。

写真はヴァリコンBのできあがったパーツです。前面と背面の黒い板は粘土で原型を作り、ツマミを作った要領で製作しました。「樹脂の加工」参照

写真はヴァリコンBのできあがったパーツです。前面と背面の黒い板は粘土で原型を作り、ツマミを作った要領で製作しました。このブログの「樹脂の加工」ページを参照。このタイプのヴァリコンにはストッパーがなく、くるくるといくらでも回ります。

写真はヴァリコンAで、Bのものよりちょっと精密に作ってあり、こちらはス トッパーがついています。

写真はヴァリコンAで、Bのものよりちょっと精密に作ってあり、こちらはストッパーがついています。

写真はAヴァリコンを分解したところです。ローター(回転するところ)が前面のパネルと導通しているので、パネルとステーター(羽の動かないところ)とを絶縁するために、黒いエボナイトの板があいだに入っています。

写真はヴァリコンAを分解したところです。ローター(回転するところ)が前面のパネルと導通しているので、パネルとステーター(羽の動かないところ)とを絶縁するために、黒いエボナイトの板があいだに入っています。

アルミ板は厚いものでも糸ノコで切ることができます。切る面に対して直角を維持してゆっくりと作業し、切りづらかったり、引っ掛かる感じがあれば、油を少し差すとよいでしょう。作例ではどちらのヴァリコンも、ローター、ステーターとも、羽のところは0.8mmのアルミ板を重ねて切り、ヴァリコンAの前背面のパネルは3mm厚のアルミ板を使いました。ローターやステーターの羽の切り抜きをするとき、まず重ねて切るわけですが、ぼくがいろいろ試したなかでは、それらの板をペーパーセメントで仮に貼りつけると安定した作業ができます。

ヴァリコンBが、ローター部13枚、ステーター部14枚で、Aのほうがローター部12枚、ステーター部13枚です。

それぞれの羽を十分に取ることができるくらいの大きさにアルミ板を切り、貼り合わせたあと、糸ノコでカットする前にまず穴のほうを先にあけます。

それぞれの羽を十分に取ることができるくらいの大きさにアルミ板を切り、貼り合わせたあと、糸ノコでカットする前にまず穴のほうを先にあけます。このときのコツはゆっくりとあけること。もし早くあけようとして強くドリルを当てると、それぞれの薄板からバリが出て、それが板と板のあいだを押し広げ、ちょうど水にぬれた辞書のようにふくらんでしまい、その後の作業をむずかしくさせてしまうからです。ゆっくりあけたつもりでも、少しはふくらむでしょう。そうしたら万力などでふたたび押さえて、ピッタリとつけておいてください。

そのあと糸ノコで外形を切り取ります。

そのあと糸ノコで外形を切り取ります。

その後万力に挟んでヤスリで仕上げます。

その後万力に挟んでヤスリで仕上げます。

仕上がったものをペーパーセメントの溶剤を入れたビンの中につけて、 1枚1枚に 羽をはがします。

仕上がったものをペーパーセメントの溶剤を入れたビンの中につけて、 1枚1枚に羽をはがします。

仕上がった羽の部分(ヴァリコンAのローターとステーターの羽)です。

仕上がった羽の部分(ヴァリコンAのローターとステーターの羽)です。

このようにていねいに作ったつもりでも、組み上げてみると出っ張ったリヘこんだりしています。キチッとそろった仕上がりにしたければ、組み上げたあとで、木片を当てたサンドペーパーで仕上げます。

小林健二の技法

ヴァリコンの組み上げ方は、ローターやステーターの羽と羽のあいだに2mmのスペーサーあるいはカラーと呼ばれるものを入れ、ステーターの部分は中に通した6mmのネジに前後からナットで締めつけ、ローターのほうは前と後ろのパネルで3mmの全ネジで締めつけて固定します。ローターとステーターはちょうど互い違いに入れ子状に組み合わせておかなければなりませんので、お互いの羽が触れあわないように、あいだを調整してから固定すればできあがりです。

ヴァリコンの組み上げ方は、ローターやステーターの羽と羽のあいだに2mmのスペーサーあるいはカラーと呼ばれるものを入れ、ステーターの部分は中に通した6mmのネジに前後からナットで締めつけ、ローターのほうは前と後ろのパネルで3mmの全ネジで締めつけて固定します。ローターとステーターはちょうど互い違いに入れ子状に組み合わせておかなければなりませんので、お互いの羽が触れあわないように、あいだを調整してから固定すればできあがりです。

ステーターとローターがショート(接触)していると、どんなにほかをいじっても音は絶対に聞こえませんから注意しましょう。

アルミはちょっと加工がしづらいと思う人は、厚紙の両面にアルミ箔を貼ったものでも、まったく同じに機能します。

アルミはちょっと加工がしづらいと思う人は、厚紙の両面にアルミ箔を貼ったものでも、まったく同じに機能します。(写真の左上の少し色が違うものは錫箔をはったもので、あまり一般的ではありませんが錫箔でもOKです。)

まず厚紙を1枚1枚カッターやはさみで切って、スプレー糊でアルミ箔を貼ればよいのです。このとき、裏と表の箔は必ずショートするように注意してください。穴は箔を貼る前にポンチであけておきましょう。貼りあがったあと、コップや瓶をローラーのように転がしてぴったりと貼るのもコツの一つです。

写真はヴァーニャルダイヤルで、左が300度用、右が180度用でヴァイリコンは180度回転角が最大なので、このタイプを使います。

写真はヴァーニャルダイヤルで、左が300度用、右が180度用でヴァリコンは180度回転角が最大なので、このタイプを使います。

ヴァーニヤルダイヤルは、よく測定器や通信機にわれるダイヤルで、内部のギアの関係で細かい調整をするのに適したものです。ダイヤルのツマミを4回転させると軸が180° 回転するしくみになっています。ヴァリコンBにはストッパーはなくいくらでも回転しますが、このヴァーニャダイヤルをつければ、最小と最大の位置にくるとそれ以上いくら回しても軸に回転がかからないしくみになっているので、ストッパーをつけたのと同じ効果があって便利です。

自作ヴァリコンに「樹脂の加工」で作例として作ったツマミを取り付けたもの。

自作ヴァリコンに「樹脂の加工」で作例として作ったツマミを取り付けたもの。

「樹脂の加工」

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

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[夜]は素材になりえるか

「夜と息」Mixed Media 1991(1986年に蝋と海水によって封じ込められたエスキースの一枚から想像された風景だという。)

「夜と息」Mixed Media 1991(1986年に蝋と海水によって封じ込められたエスキースの一枚から想像された風景だという。)

ー「夜」は素材になりえるか。

例えばここに二つに分かれる石こう型があるとします。この二つをくっつけると、遠目には一つの石こうの固まりでしょう。ところが、その中に何かが入ってるということになると、見え方がずい分変わってくるでしょうね。中がより複雑な要素を持っているとなると、中の方が情報量が多いわけですよね。つまり、そのことを知ることで、逆に見え方が変わってくる。そうなってくると、「素材」は「素」として持っていたもの以外に、そこに情報量を刻み込まれたことになる。しかも 「隠されたもの」として情報がさらに増大するということがある。だから中に刻みこまれたという現象は、ある意味で「素材」に取りこめられたという風に考えられると思われますね。もう少し平たく言えば、そうすることによって、人聞は表面を目で追って焦点を合わせていたのが、不思議と中の方に焦点を合わせようとする。実は、その行為の中にもう一段ちがった意味での情報量が入ってくるんじゃないか。これを一つの方法論として 「見せかけ」として作って「誤解」として受けとられでも、実際ほんとに中に何が入っているかどうかは、観る人には分かんないですよ。ただ、ぼくは性格からすれば、何か中に入れておきたいでしょう。

「とても聞かせられないテープととても見せられない写真」1991 445X285X210(mm) 木、蝋、幽閉物(カセットテープ、写真)

「とても聞かせられないテープととても見せられない写真」1991
445X285X210(mm) 木、蝋、幽閉物(カセットテープ、写真)

「閉じ込められた”夜”」1991 360X260X35(mm) 紙、蝋、鉛、夜

「閉じ込められた”夜”」1991
360X260X35(mm) 紙、蝋、鉛、夜

1991年の個展『夜と息』で素材のマテリアルの中に「夜」という「素材を入れたんですけど、果たして「夜」は素材になり得るか否かということになりますよね。でも、「夜」は充分素材となり得るでしょう。もしも 作品を作るためにポリエステルを使ったとしますね。そうすると、素材としてポリエステルを使ったと書くレベ ルがあると思う。もう少し書くとすると、ナフテン酸コバルトという酸化を促進させる触媒が必要なんだけど、ここで触媒に注目してみて、これ自身が「素材」といえるかどうかを考えていくと、この触媒は使われはしたけど消えちゃったものに近 い。だけども、それがなければ作品はできなかったわけです。すなわち、素材としての「夜」というものを考えた場合、第一番目に「夜」Lは 気温とか湿度とか、あるいは暗さという夜の物理的な性格が素材を補助するものになりえた。第二番目に、そのものがあったからこそ、触媒のように作る上で素材となり.えた可能性があった。第三番目に、これはもっと心意的なものになりますが、「夜」というものがあったからこそ、その作品が生まれてくる場合があったとすると、もはやそれは媒材としてじゃなくて主材になりえたということになりますね。ですから、ぼくの作品においては「素材」を書く時に、「夜」というものが素材の中にかかわってきても少しもおかしくなかった。

左「蜜蝋と”夜”のシールドテキスト」1991 テキスト 245X390X20(mm),205X125X115(mm) 紙、蝋、樹脂、他 右「松脂と”息”のシールドテキスト」1991 テキスト245X390X20(mm),205X105X85(mm) 紙、蝋、樹脂、他

左「蜜蝋と”夜”のシールドテキスト」1991
テキスト 245X390X20(mm),205X125X115(mm) 紙、蝋、樹脂、他
右「松脂と”息”のシールドテキスト」1991
テキスト245X390X20(mm),205X105X85(mm) 紙、蝋、樹脂、他

そういう意味に於いて、今回の展覧会では、色々な「素材」を列挙したものがあった。例えば 「息」「 風景」「蝋」と「海水」 もちろん 「蝋」と「海水」というものも、素材」になりえるかといえば なるでしょう。でも、今までは素材として書くのはむずかしい場合がありましたね。そこを書いたという行為があった以上 、「素材」に組み入れられたと考えていいと思ったわけです。もし書かなけれ、誰も知らないたくさんの消えた触媒や石こう型と同じわけですけど、書いたことによって あくまでもそのものを作る大きな要素として存在したことを人が知ることになりますね。その知ったという情報が、今度はそのものの見え方に対して影響を示してきますよね。つまり、そのことにおいて確かに「素材」というものになりえたということですよ。ぼくのような実際にものを作る人聞が、こういうコンセプチュアルなことを言うってことは、とてもむづかしく思えるでしょうけど、ぼくのように色んな素材を使ったり、好きになったりという人聞は 頭の中にあんまりカテゴリーがないんだと思いま す。だから こういう考え方が出てくるといえるかもしれません。

「1996年3月27日午前」1991 215X115X135(mm)  水、鉛、電気、風景 家庭用100Vコンセントからこの作品に通電すると、毎日1時間だけ、1965年3月27日土曜日の午前がこの箱の中に繰り広げられる。そこでは暖かな早春の光と風の中、7歳と9歳の男の子が遊んでいるという。

「1996年3月27日午前」1991
215X115X135(mm)  水、鉛、電気、風景
家庭用100Vコンセントからこの作品に通電すると、毎日1時間だけ、1965年3月27日土曜日の午前がこの箱の中に繰り広げられる。そこでは暖かな早春の光と風の中、7歳と9歳の男の子が遊んでいるという。

(私たちは、目の前の作品を前にして「この素材は何ですか?」と素朴に質問する。しかし 作品を構成する一見自明な物質だけが 、「素材」とはかぎらない。それができあがるまでに関与しながら途中で捨てられていった物質の数々J、それも実制作者だけには知られた重要な素材であるわけだ。さらに『夜と息』における小林のユニークな素材観によれば、作品の表面の奥に隠ペイされた何ものか、つまり命名された不在、例えば「とても人に聞かせられないテープ」も「素材」として虚の実在性を獲得することになる。それは、方法としての隠ペイが 観る人間の自由な想像力を触発し、作品の内へと吸引するようでいて、実は観る者の内面へと誘う作用を意味してい る。小林はこの素材観によって 作品を通して新しい他者とのコミュニケーションの磁場と回路を聞くことを問題にしているといえるだろう。今回の展覧会を契機 として、小林は新たな造形の局面を切り拓きつつあるようだ。)

( )内は質問者であり、インタビューをまとめた十川氏のコメント

*1992年メディア記事より抜粋

「詳らかにできない夜の実況記録」1991 405X315X79(mm) 紙、蝋、カセットテープ

「詳らかにできない夜の実況記録」1991
405X315X79(mm) 紙、蝋、カセットテープ

「夜と息」(覚え書きノートより)1986,8.6

夜にとどまり 夜に生まれてゆく

移行と相対の澱を過ぎて

その涯へと流れ込む 興味と実際

息はできるかい

呼吸をしてごらん

君をおしつぶしていた

大きなものがとりはらわれてゆく

重い体もう一度

ぼくらは背負ってやってみる

朝がもうそこに

影のない足どりさがしている

領域への投擲

忽がせな泉の国

ぼくらはこの空にいったいなにをのこしておこう

「静かな夜にはもう すっかり安心していいんだね」

黙る鉄

甘い味

集まる音階

ー有機質を分解しても同時に 架橋もおこなっているー

まるでとおくの海にいるようだ

山合いの中を

一見落ち窪んだように見える

明るいところ

大きくうねってひらけている

土があって木があって水がある

前の方から少し風が吹いて

ーああ、なにか生きものが遠くで啼いたー

手をひたす 湖面は銀

夜は息を大気にひろげて

息は空でみたされている

そうかもしれない

ぼくらはゆっくりと

その方へとあるきはじめる

 

小林健二

 

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[ぼくの遊び場]

東京田端新町の中古道具店

東京田端新町の中古道具店

ぼくの遊び場

ぼくは自転車で散歩するのが好きだ。狭々とひしめいている横丁や路地の多いこの町で、その奥にある秘密や夢を散策するのにもってこいだからだ。うろつくところといえば、とかく情報誌や何々ブームにおよそもてはやされてきた街とは対象的な、一見一般的?ではない東京の深いところにある、少なくともぼくにとっては非常に魅力的な町や店なのだ。遠くから友達が来たり、東京案内することあらば、まずそれらの方面へと繰り出すわけだが、思ったよりはるかにマニアックなところばかりでも、それぞれにみんな楽しんでくれるのは、それこそ、この街ならではの風景でもあるからだろう。これを読んでくれている人にも地図など入れて説明したいところだけど、いわば秘密の聖域、探し当てる喜びを分かち合うことにしよう。神田の古本屋街辺りから、その王国への入り口は開けていて、およそ東京中に広がっている。蝶番屋、家具や引き戸の把手ばかりを扱う店、1000種は超えると思われる彫刻刀の店、砥石屋、金槌屋、提灯屋、扇屋、和紙屋・・・鋲螺屋(びょうら)はさまざまななネジを小さな引き出しに整然と並べている。いろいろな油や蝋だけを扱う店、鉱石屋、蝶や化石などの標本屋、電気のパーツやジャンクの店、プラモ屋に理化学器具や壜屋に教材屋、すべてを書き出すことは不可能な、この怪しげな僕の遊び場は、繁華で賑やかな大通りの裏通りや、古いビルの地下などで、時にあっけらかんと、時に曇ったガラス戸の中に、隠れるように息づいている。この街のイメージは、ここで生まれ育ったぼくにとっては、いつも何かごちゃごちゃした奥の方に何かまだ潜んでいる、そんな奥深さを感じさせ続けている。自転車で行ける僕のドリームランドだ。

そんな中でも田端新町の中古機械工具を扱う町は、全体が数十年くらい昔に迷い込んだのではと思ってしまうほど独特な景観を備えている。明治通りを中心にその裏のそのまた裏にまで続き、思わず「えっ?」と立ち止まってしまうことが多々ある。

東京田端新町界隈の中古道具店

ある店では何十トンを越えると思われる大きな、何に使われるかも分からない錆びた鉄のかたまり状?の機械を商い、またある店では、そこ自体がうず高く積まれたスパナ、ペンチ、などの工具の重さで完全にかしいでしまっていたりする。何がここまで詰め込ませたのかとおばさんに聞いてみれば「あたしたちがいなければ、みんなゴミになっちゃうでしょ」と明るく笑う。確かに、それらは新品など一つとて無い、行き場を失った工具ばかりだ。でもその造りの良さや、使っていた人々の気立てを思わせるほどよく使い込まれた逸品が多いことに驚かされる。値段と言えば、安物の新品の5分の1から10分の1。表向きや見せかけの生き方で疲れ切った人たちの裏で、油やほこりにまみれていても、なんと彼らは生き生きとしていることか。こんな事ばかり言っていると、ただの懐古趣味と言われそうだけど、流行という似通った価値観の中で、情報に振り回され、一辺とおりの退屈な話しかできないような人や町より、「つつましさ」「生きがい」「充実」などの言葉と正面切って向かい合えるパワーを持っているのは確かだ。この「ていねいな東京」を知った人なら、東京が庶民によって支えられてきた歴史を持った一地方都市であり、またここを故郷としている人々がいることを理解してもらえる事だろう。

東京田端新町にある中古道具店

東京田端新町にある中古道具店

東京田端新町の大工道具店

東京田端新町の大工道具店

こんな町々の20年後を想う時、何か取り返しのつかないものを失っているという気持ちになってしまう。だからこそ、この街に巡り合えて、その偽りの無い心意気や純情と同じ時代を生きられている事が、ぼくにとっての自慢と誇りなのだ。彼らとの話の途中、グッとくる感じになる事がある。「おばさんのとこいつ休み?」「そうねえ、生きているうちはいつだってあいてるよ。」まさにこの街はいつもぼくを受け入れてくれているのだ。

東京田端新町の中古道具店で道具を見る小林健二

東京田端新町の中古道具店で道具を見る小林健二

文:小林健二(1992)

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シルバーポイントや金属の粉による彩色

「シルバーポイント」とは数世紀前まで鉛筆の代わりによく用いられていたものです。銀は大気中の硫化物によって黒変します。とはいっても、鉛筆のように真っ黒ではなく柔らかい調子になります。ぼくは、その柔らかい感じが好きなので、シルバーポイントを使うことが多くあります。

この作品の、一見グレーの絵の具に見える箇所は、シルバーポイント(銀筆)という古典的な技法によって描かれていたり、ある種の錫、アンチモンの金属の粉によってなされています。

また右の立体的なところは樹脂ロウによって形成されていますが、ロウといっても蜜蝋のように68度くらいの温度になると指紋がつくようなものではありません。

「銀色の大気-ATMOSPHERE IN SILVER 」板に紙、銀筆、亜鉛末、油彩、樹脂ロウ(paper,silver point, zinc powder,oil,wax resin on board ) 600X900X30mm 1999

小林健二作品「銀色の大気-ATMOSPHERE IN SILVER 」板に紙、銀筆、亜鉛末、油彩、樹脂ロウ(paper,silver point, zinc powder,oil,wax resin on board ) 600X900X30mm 1999  作品描かれている文章 [その大きな場所は巨大な銀色の大気に包まれている。ぼくはかつて見た夢の中の風景に再び出会っていると感じている。まるでペパーミントのような眠りへとつづく香りが辺りを支配している、と感じているとどこからか”おまえたちは本当の意味などまだ知らないではないか?”とたずねられた気がした。その問いのようなものを感じながら心の中では、右の方に見える高い塔のようなものがまるでゆらゆらとして上に登ったらきっと、とても恐いだろうなどと思っていた。 土曜日 6月7日(’86)]

古いペンの軸や、木の棒に銀の線や棒を付けたものです。

古いペンの軸や、木の棒に銀の線や棒を付けたものです。 (写真は自作のもの。数種類ある中の二つ)。 上のものは線径約2mm下は約4mmくらいです。

(写真は自作のもの。数種類ある中の二つ)。
上のものは線径約2mm下は約4mmくらいです。

ペン軸にねじ込み式の雌ネジをはめこみ、銀線にはダイスで雄ネジをきってあります。
こんなように作らなくても、上のもののように穴を木にあけて差し込むだけでも同じです。

ペン軸にねじ込み式の雌ネジをはめこみ、銀線にはダイスで雄ネジをきってあります。 こんなように作らなくても、上のもののように穴を木にあけて差し込むだけでも同じです。

シルバーポイントには下地が必要です。
その為には普通(古典的には)ニカワで練った、亜鉛華、ジンクホワイトが使われていました。多少ザラザラとした感じでなければ、すべってしまうからです。ザラザラといってもツルツルのコンクリートぐらいです。

絵画用ゼラチンの場合は 水:ニカワ/3~4:1
ウサギニカワは 水:ニカワ/4~5:1
の割合でニカワを水で膨潤させ、湯せんで溶かした後、粉を練り、それを板などにヘラで塗り付け、乾いたら240番~320番ぐらいのサンドペーパーをかけます。

シルバーポイントには下地が必要です。 その為には普通(古典的には)ニカワで練った、亜鉛華、ジンクホワイトが使われていました。多少ザラザラとした感じでなければ、すべってしまうからです。ザラザラといってもツルツルのコンクリートぐらいです。 (画像は硫酸バリウム/ジンクホワイト/炭酸マグネシウム やはりジンクホワイトが一番具合がいい)

画像は左から硫酸バリウム/ジンクホワイト/炭酸マグネシウム やはりジンクホワイトが一番具合がいい

 

左画像/絵画用ゼラチン 右画像/ウサギニカワ 絵画用ゼラチンの場合は 水:ニカワ/3~4:1 ウサギニカワは 水:ニカワ/4~5:1 の割合でニカワを水で膨潤させ、湯せんで溶かした後、粉を練り、それを板などにヘラで塗り付け、乾いたら240番~320番ぐらいのサンドペーパーをかけます。

左画像/絵画用ゼラチン 右画像/ウサギニカワ

これはシルバーポイントのパテを板に塗り付けるヘラで、温めて使います。 下が6cmぐらいの幅で、上のヘラは修正や小さな部分的に使うものです。

これはシルバーポイントのパテを板に塗り付けるヘラで、温めて使います。
下が6cmぐらいの幅で、上のヘラは修正や小さな部分的に使うものです。

鉛筆ほど黒くはっきりしませんが、ハンダのように銀以外の金属が使われることもあります。その場合下地には、亜鉛華、ジンクホワイトなどの代わりに、ロッテストーンやパミス(軽石を粉砕した磨き粉の一種)でもちょうどよいでしょう。

ただし、その場合は水:ニカワ/5~6:1の割合の絵画用ゼラチンなどで粉を練って、ハケで冷めないうちに薄くさっと板にぬって使いましょう。(紙でも使えます)

ロッテストーンやパミス(軽石を粉砕した磨き粉の一種)

ロッテストーンやパミス(軽石を粉砕した磨き粉の一種)

またシルバーポイントは、油彩絵の具とはすべってしまうため、共存できないので、「デトランプ」や「テンペラ」などの技法と用います。

なので、金属のパウダーは絵画用ゼラチンで練って使っています。ニカワでは縁などに色がついてしまうことがあるからです。

金属の粉については、TIN POWDER (錫粉)、STAINLESS STEEL POWDER(鋼粉)、ANTIMON POWDER(アンチモン粉)。他にも、銀、銅、鉄、アルミ、ジュラルミン、真鍮、鉛、亜鉛、ブロンズ、アルマイト(赤、ピンク、黄、緑、青)といろいろあります。似たものとしては、金属粉でではないが、カーボン、アランダム、コランダム、カーボランダム、および一部の顔料、、、、、などを使っています。

左がTIN POWDER (錫粉)、中央STAINLESS STEEL POWDER(鋼粉)、右ANTIMON POWDER(アンチモン粉)

左がTIN POWDER (錫粉)、中央STAINLESS STEEL POWDER(鋼粉)、右ANTIMON POWDER(アンチモン粉)

文:小林健二

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