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鉱石と光

鉱石と光

鉱石検波器には検波できること以外にも、いくつかの面白い性質があります。そのひとつは光による起電効果です。これは簡単に言えば、鉱石検波器に光を当てるだけで、電池のように電圧が発生するというものです。

このことは実験によって容易に確かめられます。鉱石検波器の鉱石につながる端子と金属の線につながる端子にテスターのリードポイントを当てて、直流電圧(D.C.V.)の一番低いレンジに合わせます。そして鉱石検波器に光を当てたり遮ったりしてみるとメーターが触れるのが確認できます。

ゲルマニュームダオードで実験

ゲルマニュームダオードで実験

ゲルマニュームダイオードで実験の様子。テスターのデジタル数字の変化。

ゲルマニュームダイオードで実験の様子。テスターのデジタル数字の変化。

もうひとつの方法は、検波器のさっきと同じところにクリスタルイヤフォンかハイインピーダンスのヘッドフォンを当てておいて、鉱石の真上あたりで影をせわしなく動かしてみます。カリッと音がするでしょう。この方法であまりうまく聞こえない場合、もう少し手間はかかりますが電圧の発生をもっとはっきりした音として確認する方法があります。たとえばプロペラをつけた小さなモーターやちょっと太めの輸ゴムなどを用意します。そしてプロペラを回したり、ピンと張ったゴムを弦のように指ではじいたりして、規則的に早く動く影を作り鉱石の上のところに落ちるようにします。するとブーンとかポンポンとか音が聞こえると思います。影の動くスピードが周波数を決めるようにして交番電流を作り、それが受話器で音に変わって聞こえるのです。

これはまた、ゲルマニウムダイオードでも確かめることができます。昔風のガラスの部分の大きなダイオードほど効果は大きいですが、テスターの感度が高く、光が強ければ現在のものでも反応が出ると思います。ただなるべく熱は伝えないように朝の日光などで実験するとよいでしょう。

また鉱石によってトランジスターのような鉱石増幅器を作ることも、実験上なら不可能ではないと思います。これは鉱石に2本の針を紙1枚のスペースをあけて立てて実験します。詳細は長くなるので省きますが、これによって安定した作動をする鉱石増幅器ができたとしたら、オールクリスタルスーパーラジオでスピーカーが鳴るような受信機ができるかもしれません。

電子工作であると便利なテスターなど。

L・Cメーター

実際工作をしていく上で、部分品まで自作する場合、コンデンサーの容量やコイルのインダクタンスを計算式によって割り出してゆくのはかなりめんどうなことですし、またあまり高い精度は望めません。そんな時にL・Cメーターといわれる一種のテスターがあると面倒な計算から解放されますし、部分品をつくっている途中でも容量やインダクタンスを実測したりできるので、安心して工作に熱中できます。一見できそこないに見えるコンデンサーでも、テスターにデジタルで数字が表示されると妙にりっぱに見えるものです。それに工作者の不安を取り除き、カット&トライ(切ったり貼ったりして調整しながら作ること)を助けてくれます。ですから計算式によってコンデンサーやコイルのだいたいの大きさや作り方をイメージしておき、実作に入ってからはL・Cメーターによってそれぞれの定数まで追い込んでいけるようにすれば、 一段と工作も深まっていくと思います。

L・Cメーターはあまり使わない場合には高価なものと感じられることもあるかもしれませんが、電子工作をする上では、通常のテスターとともにとでも役に立つものです。

左はL・C・Rメーターで、コイルのインダクタンス、コンデンサーのキャパスタンスを直読で計れ、またRのレンジではインピーダンスを計れます。右はDMTデジタルマルチテスターと呼ばれ、直流抵抗、直流の電流と電圧、交流の電流と電圧などが計れるのでこれもまた便利です。

左はL・C・Rメーターで、コイルのインダクタンス、コンデンサーのキャパスタンスを直読で計れ、またRのレンジではインピーダンスを計れます。右はDMTデジタルマルチテスターと呼ばれ、直流抵抗、直流の電流と電圧、交流の電流と電圧などが計れるのでこれもまた便利です。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

[鉱石式送信機]と[1930年当時の鉱石検波理論](関連記事)

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自作のヴァリアブルコンデンサー

ヴァリコンは簡単な構造のものでもちゃんと機能します。

左から、ガラスに錫箔を貼ったもの、真鍮板を自在に開き具合を調節できる板の内側に取り付けたもの、太さのちがう試験管のそれぞれの外側に錫箔を貼ったものです。

自作のヴァリアブルコンデンサー。左から、ガラスに錫箔を貼ったもの、真鍮板を自在に開き具合を調節できる板の内側に取り付けたもの、太さのちがう試験管のそれぞれの外側に錫箔を貼ったものです。

ぼくの作ったヴァリアブルマイカコンデンサーです。

ぼくの作ったヴァリアブルマイカコンデンサーですが、このようにするとマイカ本来の性能はあまり期待できません。とくにスライドさせる時にマイカ同士がこすれるため、ひっかかってはがれないようにニスなどで固めておく必要があります。ニスは高周波ニスが最高ですが、ニトロセルロース系のラッカーなどで十分です。なるべく顔料などの人らない透明なものがよいでしょう。特にこのコンデンサーについては性能よりもきれいなものにしてみたかったので、ぼくはマイカを使いました。内部の導体は錫の箔を使いました。これもライデン瓶などに使われたように昔からの材料で、本来なら別に導体ならば何でもいいわけです。ただアルミ箔とくらべても革のようにしなやかで、アルミでは不可能なハンダ付けができるという利点があります。そしてなにより錫箔の落ち着いた銀色が気に入っているのです。

こういったいろいろな鉱石やニッケルやタングステンなどの金属を探しに鉱物専門店や特殊金属の店を巡るのも日常とはちょっと違って、未知の空間と出会うようで素敵です。こんなところにも工作をするよろこびがあるのかもしれません。

ここで絶縁材料について触れておきます。

普通の工作全般で使われる材料以外で、電気に関する特別なものとしては、絶縁材料が挙げられます。本来鉱石ラジオの製作だけを考えると、電庄も電流も大きくないので、厳密な指定はありません。ただ、日頃あまり手にしない材料ですが、どういうわけか美しいものが多いので、いろいろ試してみるのもおもしろいでしょう。

代表的な3種について説明します。

ベークライト、エボナイト等の棒材です。

ベークライト、エボナイト等の棒材です。

ベークライト、エボナイト等の板材。

ベークライト、エボナイト等の板材。

ベークライト(bakeute)一一板状のものは0.5mm~ 3cm厚くらいが普通で、大きさもいろいろすでにカットしたものを売っています。筒状(パイプ)や丸棒も直径2mm~10 cmくらいまであります。色は少々透過性のある黄・黄褐色・茶・こげ茶とあり、成形から時間が経つほど色は濃くなります。またこれら生地色以外にも製品として、ターミナルの頭やツマミなどには色の付いたものもあります。また布入リベークといって、なかに繊維を入れて普通のベークライト板より強度を高めたものもあります。数はあまり多くありませんが、黒ベーク板という黒色のものもあります。ベークライトは本来商品名で、材質としてはフェノール樹脂と呼ばれ、石炭酸とホルムアルデヒドにアルカリを触媒として熱を加えて作ったものです。

エボナイト(ebonite)一一前に述べたベークライトと混同している人もあるようですが、この2つはまったく違うものです。エボナイトは一種の硬質ゴムで、生ゴムに加硫といって硫黄を加えて作ります。色は黒色しかなく、その黒檀ebonyのような色から名前がついたと言われています。ただ経年するとエボ焼けといって、独特の緑がかった褐色になることがあります。形状は板、丸棒とありますが、ベーク板ほどはサイズに幅はありません。

自雲母の薄板(w15 cm)です。

自雲母の薄板(w15 cm)です。

マイカ(雲母mica)一一空気をはじめとして絶縁物はたくさんありますし、技術的に簡単と言うなら紙やセロファンもいいと思いますが、なかでもマイカは工作上美しいし、性能上も他を圧しているようにぼくは思います。

雲母は天然鉱物で鉱物学上これに属するものには本雲母群、脆雲母群等があって、実用に供されるのは本雲母群のものです。このなかには大きくわけて7種類があります。

白雲母muscovite、曹達雲母paragonite、鱗雲母lepidolite、鉄雲母lepidomelane、チンワルド雲母zinnawaldite、黒雲母biotite、金雲母phlogopiteで、日本画などで雲母末のことをきらと言うように、まさにキラキラしていてぼくの好きな鉱石の一つです。雲母はインド、北アメリカ、カナダ、ブラジル、南米、アフリカ、ロシア、メキシコ等が有名ですが世界各地で産出します。日本ではあまりとれないのでもっぱら輸入にたよっています。白雲母は別名カリ雲母といって無色透明のものですが、黄や緑や赤の色を帯びることがあります。そのうちの赤色のマイカはルビー雲母rubymicaとも呼ばれ、 とても美しいものです。比重は276~4.0くらい、硬度は28~ 3.2です。

金雲母はマグネシア雲母、琥珀雲母amber micaとも呼ばれ、比重は275~ 2.90、硬度は25~27、少々ブラウン色に透きとおり、やはりとでもきれいです。

雲母を工作に使用する際には、むやみやたらとはがさないで、最初に半分にしてそれぞれをまた半分にするというように順にはがしてゆくと厚さをそろえやすく、好みの大きさに切る時は写真などを切断する小さな押し切りでよく切れます。厚いうちに切断しようとすると失敗することが多いので、使用する厚さになった後でカットするようにした方がよいでしょう。なお工作の際、マイカの表面に汗や油をつけないように気をつけましょう。

このほか、ガラスエポキシ、ポリカーボネイトなどがあります。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

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[自作鉱石検波器の解説]

鉱石ラジオの部品の中でも、鉱石検波器自体は重要な役割を持っているので、感度を上げるための工夫や機械的安定性も合理的に設計され製作されていたことは言うまでもありません。

そこでぼくは当時(鉱石ラジオが使用されていた大正から昭和の初め頃)もなかったしそれ以降も登場しなかった、言うならこの星で最初と思われる鉱石検波器を発表しようと思います。このように大きく出たところでとりわけ何かが起こるわけではないのですが、いろいろ工作や実験をしている最中に何かを見つけたような気持ちになるとそれほどうれしいものなのです。そんなわけでぼくなりに発見のあった特殊(きっと他にはないという意味で)鉱石検波器を紹介します。

天然系検波器

まずは鉱石の形をそのままに検波器としたものです。ぼくは鉱石の色や形をなるべくそのままに、機能を持たせたいと考えていろいろ実験をしました。実験中はよいのですが、その感度のいい状態を継続して安定させるのはけっこう難しいものでした。

もちろんさぐり式検波器の場合、いかにして針を鉱石の敏感なところにいい接触状態といい圧力をもって安定しつづけるかがいつも問題になります。このようなむき出しの鉱石を使う検波器でいちばん問題となる点は、鉱石自身と導体部分の接点抵抗をいかに小さくし、またそこにコンデンサー成分をなるべく作らないかということです。とりあえずさぐり式の鉱石を固定する方法を用いてハンダで接触面を大きくしようとしても、大きな結品の標本の場合だとどうしても温度の高い状態を長くしないとならないので、その熱が鉱石の感度を下げてしまうらしいのです。

そこでぼくが思いついたのは低融点金属でした。この金属を使うとその熱の問題をクリアできるばかりか作業性も高く、鉱石の表面によくのびてとでもよくくっつき、コンデンサー成分も作りません。なにしろ75℃ 前後で工作できるわけですから、紙などで角型やコーン型にした筒の先を切り、その先をあらかじめあたためた鉱石のうらから当て溶けたものを流し込めばよいのです。

天然系検波器1の検波器はそのようにして作りました。またこの4点のものは結晶の形がおもしろいというだけでなく、本来なら不向きのところがあるのです。たとえば中央上の磁鉄鉱とその下の赤鉄鉱です。磁鉄鉱はもともと検波器の素材のひとつに上げられるものですが、この標本のように天地5 cmくらいのわりに大きなものになるととでも直流抵抗が高くなってしまい、検波どころか電流はほとんど流れてくれません。また赤鉄鉱のほうも同じで、板状結晶のこの標本の場合、埋め込んでしまうわけにもいかないので真鍮の厚い板に低融点金属で接着してあります。

この2つのようなとても高抵抗な鉱石は導体との接着面の面積を大きくしたり、見かけの状態ではわからないように導体の部分が針の接点のところに近くまで寄ることで抵抗を低くして、大きな結晶のままや結晶状態を観察しながら検波することが可能となります。

また左に自然銅、右に入エビスマスの標本を使ったものがありますが、これらは逆にほとんど導体なので検波にはむずかしいタイプですが、このように台に付けておくと、うすい硫酸や修酸、あるいは二酸化セレン(ビスマスの場合)による弱い腐食によって、酸化もしくは亜酸化皮膜ができて、ときとしてうまい整流作用を持つのでそれによって検波をすることもできるのです。

 

天然系検波器 1 中央の磁鉄鉱を使ったもの(H5cm)

天然系検波器 1
中央の磁鉄鉱を使ったもの(H5cm)

天然系検波器2はまるで鉱物標本そのままです。水晶のところどころに黄鉄鉱の小さな結晶が共生しているものですが、全体に目立たないように硝酸銀などでうすくメッキをかけ更に使用する前に伝導性の電解質でうすくしめらせると、本来絶縁体である石英の上にあるのにちゃんとこの黄鉄鉱が検波をしてくれます。

このような検波器はもちろん実用というよりは実験としての楽しみですが、普通の鉱石標本からまるで音が聞こえてくるようでとでも不思議な体験ができると思います。

天然系検波器 2 (W15cm)

天然系検波器 2
(W15cm)

透過性検波器

この美しい鉱物はどれも光を透過します。手前の細長い鉱物は、ポロナイトと呼ばれるポーランドで作られた人工結晶です。またその右上の鉱物は、ジンサイトと名付けられて最近鉱石ショーで時々見かける鉱物です。おそらくこれも人工だと思うのですが、天然鉱石の持つ一種の有機性(変な表現ですが)があってとでも魅力的です。確かにこんな単結品の紅亜鉛鉱が東欧の鉱山から出てきたら大変なことだと思います。

本来、宝石や宝飾品のために作られたと聞いていますが、成分はまさに純度の高い酸化亜鉛です。ですからひょっとしたらと思い、まずはテスターを当てると導通がありました。このように透過性の鉱物に電気が通るというのはわかっていても、ぼくには驚きで、さっそく検波の実験をすると確かに検波できるばかりか、紅亜鉛鉱単体に針を立てるよりもはるかに感度が安定しているのです。

写真左の透明なうすい緑色の鉱物は、同じジンサイトの標本のところにあったものです。ちょっと見るとぶどう石prehniteと見まごうような美しい標本で、これも検波できるのです。確かに紅亜鉛鉱と言われても、その赤みは不純物として入っているマンガンによるものと言われていますから、考えてみれば不思議ではありませんがやはりどきどきしてしまいました。

透過性検波器に使っている鉱物。下のオレンジ色のものは7cm。うわさによればこれらの鉱物は東欧のどこかの金属精錬工場の煙突の中に気相より析出して結晶するもので、人工とも天然とも言いきりがたい状況で生まれてくるそうです。それを1年に1回かき取ってくる業者が宝石の原石として、かつて東西対立があった時代にひそかに西側に放出していたと言われています。

透過性検波器に使っている鉱物。下のオレンジ色のものは7cm。うわさによればこれらの鉱物は東欧のどこかの金属精錬工場の煙突の中に気相より析出して結晶するもので、人工とも天然とも言いきりがたい状況で生まれてくるそうです。それを1年に1回かき取ってくる業者が宝石の原石として、かつて東西対立があった時代にひそかに西側に放出していたと言われています。

細長く結晶した酸化亜鉛の結晶に電気を通して豆電球を光らせているところです。導通状態は非常によく、透きとおっているのにまさに金属と言うことができ、不思議な感じがします。

細長く結晶した酸化亜鉛の結晶に電気を通して豆電球を光らせているところです。導通状態は非常によく、透きとおっているのにまさに金属と言うことができ、不思議な感じがします。

化石式検波器

この写真は貝とアンモナイトの化石です。この二枚貝は左がparaspirifer bownockeriで右がmediospirifer audaculusです。約3億8千万年前の化石で、中央のアンモナイトは約1億8千万年前のものです。まともに考えると気が遠くなるほどの過去の生物ですが、写真はその年月とともに化石となる際、部分的に黄鉄鉱化した標本です。

黄鉄鉱化した化石 中央のアンモナイト H7cm

黄鉄鉱化した化石 中央のアンモナイト H7cm

そして作ってみたのがこの検波器で、化石式検波器fossil detectorとでも呼べるものと思います。実際は黄鉄鉱が検波している訳ですが、数億年もの昔の生物が変化したものから音楽や人の声が聞こえてくると想像してみてください。不思議な心持ちになりませんか?

化石式検波器 H6cm(ノブを含む)

化石式検波器 H6cm(ノブを含む)

銀成硝子検波器

一種の酸化覆膜にも整流作用を持つnl能性があるとすると、まだまだ感度の善し悪しを考えなければ検波できるものがいろいろとあるのではと思い、ぼくは身近にあるものをかたっばしから実験してみました。錆びた金属、導体性の金属鉱石、 ドアのノブ、ナイフ、はさみ……。いい加減やりつくしたころに見つけてドキドキしたのが、ハーフミラーです。これは金属の蒸着メッキによって作られます。そして実験の末、形にしたのがこの写真の検波器です。ときに銀色にまた半透過性へと移行するその質感は美しく、また不思議な感じを起こさせます。ホルダーは錫と銀とアンチモンによって作りました。

銀成硝子検波器 W11cm(台の長さ)

銀成硝子検波器 W11cm(台の長さ)

極光水晶検波器

そしてこのハーフミラーを使った銀成硝子検波器は、ぼくの作ったもののなかでもっとも美しい極光水晶検波器を作るきっかけとなりました。

この写真はその極光水晶検波器auroracrystal detectorです。このオーロラクリスタルは最近の技術によって装飾用として作られたものです。おそらく二酸化チタンのうすいメッキによるもので、その鍍膜厚を変えることでいろいろなタイプができると思われます。

この人工の加工を受けた鉱石は、それまでぼくにとってとりわけ魅力的なものではありませんでした。しかし、透明でときどき反射する光が淡いピンクやブルーに照り返るこの結晶石によって検波ができたときには本当にうれしく、鉱石受信機によって初めて放送を聞いた昔の工作少年たちに、こんな検波器で作ったラジオを見せることができたらとしばらく感慨に耽ってしまいました。もっとも、少々手を加えないと実用に十分な感度はとれませんが、このくらいは秘密にしておきましょう。

極光水晶検波器 左 H7cm

極光水晶検波器 左 H7cm

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

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[自作鉱石式受信機の解説]2

前回ご紹介した「[自作鉱石式受信機の解説]1」の続きです。

 

火星人式交信鉱石受信機(固定L型同調)

これは手前に件んでいる古風な火星人の腕の先にワイヤーを触れるように握手させると、メッセージが聴取できるというものです。それぞれの腕は基本的にコイルのタップで、しかも小さなインダクターによってあらかじめ局を固定してあります。

前出の蝶類標本型と同じで、これらの受信機のアンテナはあらかじめ決まったものを使用します。他のアンテナを使うとCやLの定数が合わなくなって放送が聞こえなくなることがあるからです。空飛ぶ円盤の中と台の中にコイルがあり、この2つのコイルを可動させることでヴァリオカップラーのようにある程度調整できると考えました。もっとも工作上の外観を重視したため、あまり効果は上がりませんでしたが・・・・。火星人の頭の中には固定式で作った感度のよい検波器が入っています。もし作ってみようと思う方がいたら、ダイオードを用いたほうがよい結果が出ると思います。

火星人式交信鉱石受信機W150×D150×H120(mm)

火星人式交信鉱石受信機
W150×D150×H120(mm)

火星人の手(足?)にワイヤーを接触(握手?)させているところです。

火星人の手(足?)にワイヤーを接触(握手?)させているところです。

超小型実験室型鉱石受信機

これは、鉱石ラジオを設計したり実験したりするために必要なだいたいの部品や材料が組み込まれた、持ち運びできる小さな実験室といったふうのものです。上部のガラスケースはステンドグラスの技法で作り、全体は木で作ってあります。この本の板は近所の印刷屋さんの前に積んである、紙を運ぶためのパレットと呼ばれるものをわけでもらいました。プレーナーのかかっていないザラザラの本の板が妙に懐かしい感じで好きなので、見かけよりずいぶんと手をかけで作ったものです。

中には3種類の太さの導線、7種類のコイル、5種のゲルマニウムダイオード、3種のヴァリコン、 10種のコンデンサーとインダクター、 7種20個の鉱石、タンタル、ニッタル、タングステンのワイヤー、雲母板、錫およびアルミ箔、鉱石を手入れするためのアルコール、各種ネジ金具、金属素材、ナイフ、 ドライバー、小型のニッパー、回路図を書き込んだ小さなノート、クリスタルイヤフォン、ツマミ、LC周波数割り出し表、鉛筆、消しゴムなどが入っています。

中心にあるメインコイルは引き出し式になっていて、その奥には秘密データが入っています。窓はプレパラート用の薄いガラスで作り、ノブは昔からある自分の机のものを使いました。底の部分にはコイルアンテナが埋め込んであり、ローディングコイルを用いた引き出し式のアンテナも備えであります。

全体の色は自作したテンペラ絵具で、牛乳から作ったガゼインと孔雀石を粉にしたマウンテングリーンでできています。ぼく以外の人にはあまり意味のない工作に思えますが、ぼくのお気に入りの一つです。ひまがあると少しずつ手を入れたり、また取り外したりして楽しんでいます。

超小型実験室型鉱石受信機 W195XD202×H98(mm)

超小型実験室型鉱石受信機
W195XD202×H98(mm)

フロントパネルをはずし中に入っている品々を出したようす。

フロントパネルをはずし中に入っている品々を出したようす。

緑色のコイルのLにある小さな引き出しの中には検波用鉱石が入っています。

緑色のコイルのLにある小さな引き出しの中には検波用鉱石が入っています。

盆栽式鉱石受信機

このような小さな盆栽は小品盆栽と呼ばれ、「石抱き」の形に作ったものを植え替えのとき石をうまくはずし、その部分に比較的水に強い黄鉄鉱などをうまく抱かせれば検波器として作っていけるでしょう。もちろん何年もかけてはじめから根を石にまわしてつくってもいいと思います。この場合、全体が金属質の鉱石というよりは、方解石や水晶などに共生しているようなものにした方がいいでしょう。

作例は香丁木と呼ばれる木ですが、ちょうどうす紫の花が咲き始めています。鉱石は魚眼石と水品に黄鉄鉱が共生しているものを使い、錫で裏打ちしてありますまた作例のように「根上がり」の状態に仕込んでおいて、中の鉱石を随時交換するという方法もあります。コイルはバンク巻きに作ってあり、鉢の下部に作ってあります。なにぶんにも盆栽は生きているので、木を痛めないように心がけています。

盆栽式鉱石受信機 W80×D80×H150(mm)

盆栽式鉱石受信機
W80×D80×H150(mm)

小鳥ラヂオ

15年くらい前、駒込は富士神社の縁日で邯鄲(かんたん)という小さな虫を買いました。コオロギの仲間ですが、淡い若草色の体と半透明なうすい羽をもったちいさくて細い弱々しい生き物でした。美しくリューリューと鳴くその声は今でも忘れられません。しかしその名の響きとは裏腹に飼うことはむずかしく、寿命だったのかぼくが悪かったのかわかりませんが、ひと月もするといけなくなりました。そのとき前年にもぼくがひやかしていたのを覚えていた夜店のおじさんが、古い虫かごをわけてくれてそれがずっと残っていたので、それを使ってこの小鳥ラジオを作ったわけです。

小鳥のくちばしは銀でできていて、水飲み用の錫製のカップには銅藍(コベリン)が入っています。下の方に絹巻き線でコイルが巻いであり、かごを吊るための線が空中線とアースになっています。小鳥の色はうぐいす色より少し明るい邯鄲の色にしてあります。感度はあまりよくありませんが、思い出のこもった受信機です。

小鳥ラヂオ W72×D60×H65(mm)

小鳥ラヂオ
W72×D60×H65(mm)

燐寸箱型鉱石受信器

これは古いマッチの箱を利用して作りました。ミュー同調式でぼくのパジャマのボタンがツマミになっています。中身はふだんは中にイヤフォンが入っています。

カプセルゲルマラデオ

これはグルマニウムダイオードを使い、ケースにカプセルを利用したものです。カプセルの外形は太さ8 mm長さ15 mmで、コイルのかわりにマイクロインダクターとセラミックコンデンサーを使っています。

鉛筆型鉱石受信機

これは1935年のアメリカの製作記事から作ってみたものです。ぼくなりに改良を加え、確かに聞こえるようにコイルのスライド部分を作りました。鉱石には方鉛鉱を使い、針には0.5mmのタングステンを使いました。とでも感度がよく気に入っています。

上から燐寸箱型鉱石受信機W56XD38×H18(mm) カプセルグルマラデオ(カプセルは大さ8 mm長さ10 mm) 鉛筆型鉱石受信機W146×D12×H12(mm)

上から燐寸箱型鉱石受信機W56XD38×H18(mm)
カプセルグルマラデオ(カプセルは大さ8 mm長さ10 mm)
鉛筆型鉱石受信機W146×D12×H12(mm)

コメットゲルマラデオ

これはツマミを動かすと中の彗星が動く小さな受信機です。もしあわただしくゲルマラジオの時代が過ぎ去っていかなければ、ブリキのおもちゃの一つとしてこのようなロボット風のラジオも作られたのではないかと思い、作ってみました。

COMET GERMA Radio W82X D70×H132(mm)(端子、ツマミを合み、アンテナは含まず)

COMET GERMA Radio
W82X D70×H132(mm)(端子、ツマミを合み、アンテナは含まず)

このように鉱石式受信機はいろいろなものを作ることができます。工作は技術と発想の工夫だと思います。どのみち現代においてはあまり実用的でも合理的でもないわけですから、逆に気楽にあそべるのではないでしょうか。

内外の古い鉱石ラジオの製作記事や資料を見ていると、思わず吹き出したり戸惑ったりすることがあります。たとえばネクタイラジオ、メガネラジオ、シルクハットにステッキラジオ、パイプラジオと身につけること力゛できるものなどもその一つです。たいてい紳士が身に付けて紹介されているのですが、どう考えても不格好でもし町でこんな紳士にばったり出会ったりしたら、ほとんどの人は足がすくむことでしょう。

小林健二「ぼくらの鉱石ラジオ」

このほか、クッション、コーヒーカップ、時計、本にノート、椅子や家具、上げて行くときりがありません。しかしそれらは、事物が産業革命以降、合理化の道を進んで行くのに対し、あくまでもキッチュを使いジョークを交えて対抗していたと思われます。そこがおそらく懐古的な意味もふくめてぼくが鉱石ラジオに惹かれる理由の一つかもしれません。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

[自作鉱石式受信機の解説]1

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[自作鉱石式受信機の解説]1

ぼくが昔の製作記事からヒントを得て作ったり、あるいは実験をしながら思いついて作ったりした鉱石式受信機のなかから、少し変わったものをいくつか紹介してみたいと思います。

ポストカード式ラヂオ

これはアメリカの製作記事をヒントに作りました。1945年の記事なのでまだダイオードを使わない、小さな鉱石さぐり式です。しかもインダクタンスをタップで可変するところが、いかにも実用的ではなくておもしろかったので作ってみました。

記事のタイトルに“LETTER” RADIO can be mailedと書いてあり、 しかも大きなヘッドフォンが横に置いであります。製作には自分の好きなポストカードを選んで作ると楽しいでしょう。もちろんゲルマニウムダイオードを検波に使えばもっと感度がよくなる可能性がありますし、もっと薄くも作れるでしょう。オリジナルの記事ではコイルのタップで同調するような仕組みでしたが、どうも調子がよくなかったので、カード紙に錫箔を貼ってセロファンでカバーしたヴァリコンを付け足して楽しんでいます。

実際に誰かに送ってみようと考えたこともありましたが、アンテナや受話器のことを思うと送っても送られてもお互い大変そうなので、未だに手元にある次第です。

ポストカード式ラヂオ160X105(mm)

ポストカード式ラヂオ160X105(mm)

コイルのタップにクリップを付けて同調を取ります。左端に出ている小さな板状のものはコンデンサーです。

コイルのタップにクリップを付けて同調を取ります。左端に出ている小さな板状のものはコンデンサーです。

透明ラヂオ

これは全体的に無色のラジオです。コイルは無色の石英ガラスの筒に銀の導線を使って作りました。ヴァリコンは自雲母の薄片に錫箔を貼り、セルロイドの透明な棒で回転体を作りました。検波器にはピーコックパイライトを使いました。

この鉱物標本は10年ほど前にパキスタンの業者から手に入れたもので、黄鉄鉱の表面がところどころ水色や紫色になっていて、しかも無色の水晶と共生していてとでも美しかったので使ってみたのです。鉱石の台は錫にアンチモンを加えたもので作り、支持体はガラスのカップを使いました。全体は無色の有機ガラスでできていて、有機ガラス板を曲げるのにはあらかじめ型を作る必要があります。また端子やツマミも、導体部分以外は透き通るようにポリエステルなどを使い工夫しました。この受信機を朝早くに聞くと、 とてもわくわくした気持ちになります。

透明ラデオW236×D138×H160(mm)

透明ラヂオW236×D138×H160(mm)

透明ラヂオ内部にあるピーコックパイライトを使用した検波器の部分です。

透明ラヂオ内部にあるピーコックパイライトを使用した検波器の部分です。

ベイブクリスタルセット

これはエマーソン社のベイビー・エマーソンという1球式のラジオの形がとても好きだったので、その形に似せて作ったものです。本来ならラジオの上部には真空管の一部が見えているのですが、その部分に鉱石検波器を取り付けてみました。大きさもエマーソン社のものよりずっと小さく作りました。筐体は木で作り、その上に麻布の日の細かいものを貼り、ニスを塗って仕上げました。パネルは紙にド図を描き、インスタントレタリングなどで文字を入れ、コピーでポジネガ反転してニスを塗って仕上げました。ちょっとみるととでも凝って作ってあるように見えます。

ツマミは市販品を使い、鉱石検波器のケースは試験管を切って作りました。 1つの大きめのヴァリコンと2列にタップを出したソレノイドコイルでできています。

ベイブクリスタルセットW173× D90(ツマミを含む)X H170(mm)

ベイブクリスタルセットW173× D90(ツマミを含む)X H170(mm)

鉱石受信機キット2種

この古めかしい鉱石ラジオは、共に1930~60年代のアメリカのクリスタルセットのキットを復刻するような形で作ってみました。この薄い木の板の上に作られたラジオの検波には剃刀の刃と鉛筆の芯が使用され、その他の部品にも安全ピンやクリップなどを使用していてとでもかわいらしい感じがします。この検波器は思ったより感度がよいので驚きました。

またもう一つの紙筒を利用したソレノイドコイルのものは、ゲルマニウムダイオードを検波に使っていたのですが、ぼくなりに初めて鉱石検波器を取り付けてみたものです。鉱石検波器は真鍮の20mmくらいの棒の中心に16mmの穴をあけて、方鉛鉱をハンダで固定して作りました。その後、人工鉱石を作ってみたところとでも感度がよかったので方鉛鉱と取り替え、最初使っていたニッケルのワイヤーをタングステンのワイヤーと交換して、ゲルマラジオより感度のよい鉱石ラジオ第1号となりました。

昔の米国製のキットの復刻ラジオ。剃刀と鉛筆の芯が検波器になっています。 W148×D98×H40(mm

昔の米国製のキットの復刻ラジオ。剃刀と鉛筆の芯が検波器になっています。
W148×D98×H40(mm

やはり昔のキット風のもので自作の人工鉱石が検波器に使用してあります。 W132×D137×H80(mm)

やはり昔のキット風のもので自作の人工鉱石が検波器に使用してあります。
W132×D137×H80(mm)

鉱石標本式受信機

これは検波のできる鉱石を探しているときに思いついたもので、鉱石による検波の違いを確かめようと作ってみたものです。この一見すると古めかしい鉱石標本箱の中には、検波のできる鉱石や電気すら通さない鉱石がいろいろ入っていて、それらにタンタルの金属針で触れていきます。LやCはすでに箱の中の見えないところにセットされていて、 JOAKとFENが聞けるように調整されています。コイルは昔式の紙を貼り合わせシェラックニスを塗った巻枠に、昔若草色だった風に2重絹巻き線を染めて作りました。鉱石の入っている標本箱の底全体には、見えないように厚さ0.1mmの錫箔がしわを付けて敷いであります。またコンデンサーはトリマーと呼ばれる半固定のものと固定のコンデンサーを使いました。単純な発想の受信機ですが、検波を初めて体験する人たちにはとても不思議に見えるようで好評です。

鉱石標本式受信機W225×D168(端子を含む)×H30(mm)

鉱石標本式受信機
W225×D168(端子を含む)×H30(mm)

針を鉱物に当てて検波できる石を探しています。

針を鉱物に当てて検波できる石を探しています。

蝶類標本型鉱石式受信機

標本の部分は一般的な方法で作づであり、蝶たちは命を失っても美しい姿をとどめています。ここにはぼくの好きな9つの個体が標本になっていて、このうちのいくつか(全での個体に当てはまる数だけの局を分離できなかったので)は、その個体を貫いている虫ピンに導線を触れることでラジオとして聴取することができるようになっています。虫ピンの裏側には固定したコンデンサーを直列にしたり並列にしたりすることで同調点を決定しています。この構造もそして機構も簡単なものですが、虫ピンに触れながらラジオを聴いているとちょっと不思議な心持ちになります。 トーマス・エジソンが晩年に霊界通信機を構想していたと言われていますが、もしそのような通信機がほんとうにあったとしたら、こんなに儚い有機質があしらってあるかもしれません。

蝶類標本型鉱石式受信機 W242×D195×H40(mm)

蝶類標本型鉱石式受信機
W242×D195×H40(mm)

ピンのところにクリップを付けたところ。蝶の名前は“W00D-NYMPH”(本の妖精)、 FENが聞こえています。

ピンのところにクリップを付けたところ。蝶の名前は“W00D-NYMPH”(木の妖精)、 FENが聞こえています。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

[自作鉱石式受信機の解説]2

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6/19[小林健二Talk+ミニミニオマケライブ]

小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成] 6月19日(日) 14:00-16:00(13:30開場) 会場:メガラニカ(Magallanica)

小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成]+ミニミニオマケライブ
6月19日(日) 14:00〜 (13:30開場)
会場:メガラニカ(Magallanica)

昨日で6/19の小林健二トークが終了しました。今回はミニライブのオマケ付きでもあり、小林健二の中学高校時代に作詞作曲された音楽の初披露です。

まずはトーク。工具(日本のノコや ガラス切り工具など)の紹介と実演、電気を使った不思議な作品たちを参加者と楽しみます。

[青色水晶交信機]の中の構造を見せているところ

[青色水晶交信機]の中の構造を見せているところ

人のオーラを感じて水晶の中に光が現れたり消えたりする作品[CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER ]の実演

人のオーラを感じて水晶の中に光が現れたり消えたりする作品[CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER ]の実演

「CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER 」          木、結晶、電子回路など        wood,crystal,electric circuit,others 240x200X150 1992-1994  [CRYSTAL OF AZOTH(霊の鉱石)]とは本来セファイドの水の結晶です。その結晶の左側に陽性起電微子を、その右側に陰性消失微子を発生着帯します。アレフ(空あるいは風)、メム(水あるいは海)、シン(火あるいは熱)のそれおぞれ緑、青、赤の色彩成分をアゾト(霊あるいは意識)によって封じられた結晶なのです。この結晶はアルプス地方に産する明るい煙水晶で、その中に極めてわずかに見つけられる古代セファイドの水を含有したものを使用します。その左側に手をかざすと陽性起電微子ーAZOTHIN(アゾシン)の一種によって発光する場ができ、右側においてはその反対の作用が起ります (左の柱に手をかざすと水晶内部にゆっくりと光が現れはじめ静かに色彩が変化する。右の柱に手をかざすとまたゆっくりと消える)

「CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER 」
木、結晶、電子回路など
1992-1994
[CRYSTAL OF AZOTH(霊の鉱石)]とは本来セファイドの水の結晶です。その結晶の左側に陽性起電微子を、その右側に陰性消失微子を発生着帯します。アレフ(空あるいは風)、メム(水あるいは海)、シン(火あるいは熱)のそれおぞれ緑、青、赤の色彩成分をアゾト(霊あるいは意識)によって封じられた結晶なのです。この結晶はアルプス地方に産する明るい煙水晶で、その中に極めてわずかに見つけられる古代セファイドの水を含有したものを使用します。その左側に手をかざすと陽性起電微子ーAZOTHIN(アゾシン)の一種によって発光する場ができ、右側においてはその反対の作用が起ります
(左の柱に手をかざすと水晶内部にゆっくりと光が現れはじめ静かに色彩が変化する。右の柱に手をかざすとまたゆっくりと消える)

小林健二考案による「硝子結晶育成キット(銀河通信社)」の結晶育成実験では、綺麗に仕上がった結晶が溶液から取り出されました。「硝子結晶」の命名についても「硝子」とは?そして「硝子結晶」とは?などなど、様々な質問が参加者から寄せられました。

 

そしてライブへと続きます。

小林健二ミニライブが始まる前に、高校時代に絵を手にって説明している小林健二。

ミニライブが始まる前に、高校時代に描いた絵を手にして説明している小林健二。その絵には魔法の言葉が同時に書かれていて、曲の中でも詞に使われています。

小林健二ライブ風景

小林健二ライブ風景

今回は3曲選ばれ(他にも何曲かあるそうですが、ちゃんと詩や曲がまとまっていないとのことです)ギター演奏により歌われました。

絵も音楽もそして色々な様相を表す作品たち、出力が一つの源であることが実感できるような、まさに小林健二らしい曲ばかりでした。「CDにして欲しい」との声も参加者から出て、次のライブも期待したいですね。

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[アートとは、人間について考える科学だよ]

ーアートとは、人間について考える科学だよ。

東京は新橋に生まれ育ったという小林さん。なくなりつつある江戸っ子気質をしっかり担う東京人の一人である。

「ぼくが子どもの頃、家の前には都電が通っていて、石畳や柳があって、道路ではみんながキャッチボールなんかしてゆったりとした時間があり、それは魅力的な街だったと思いますね。ところが物量主義的な時代の流れの中で、そう言った合理性だけでは割り切れないものがどんどん捨てられていった。ぼくらは確かに合理的で便利なものを手に入れたけど、鉛筆一本でも自分で使い込んだものは愛情が湧くというような、合理性だけでないこんな素敵な感性までも、一緒に失ってしまったんじゃないかな。」

1990年頃の小林健二のアトリエ

1990年頃の小林健二のアトリエ

アトリエを一歩入ってみる。よく使い込まれたカンナ、ノミといった伝統工具やドリルなど世界中の電動工具たちがところ狭しと並んでいる。アトリエと言うよりまるでどこかの町工場だ。それも職人のエネルギーが充満した密度の高い町工場の空気だ。彼はここであらゆる物質と向き合い、試行錯誤してそれに生命を与える。そしてここで語り、酒を飲み、自らの生命の洗濯をする。

「ぼくはいつも自分自身が信じれる人間でいたいと思う。もし自分の中にまだまだ眠っている正義みたいなものがあるとするなら、それを探してみたいと思う。好奇心を持って知らないことや人間自身について、あるいは幸福や自由について色々考えてみたいと思うし、知りたい。だから木を彫ったり、石を削ったり鉄をひん曲げたり、日常ぼくがしていること全て、もとは一つの中にあることなんだ。」

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990 会場風景

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990 会場風景

昨年10月の個展は「黄泉への誓(うけひ)」という不思議なタイトルのもとに開かれた。そこに出かけて作品に出会うということ、それはまさに一つの体験である。自然科学、歴史への深い洞察と(『古事記』に想いを得た作品もいくつかあった)、全ての生命系に対する作家の愛の形を媒介にして、私たちはまだ見ぬ世界を体験する。

「ちょっと視点をずらしてみれば何でもないことでも、人間にとって社会が今ギスギスしているんだよね。価値観が一方方向の時は人間も社会ももろいんじゃないかな。そういう意味でぼくの作品を通して別の世界へちょっと旅行してもらえたら嬉しいと思う。」

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990 会場風景

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990 会場風景

「須勢理と沼河」1990 mixed media

「離宮珀水」1990 木に油彩、樹脂他

「離宮珀水」1990 木に油彩、樹脂他

「Sealed Key」1990 木、幽閉物

「Sealed Key」1990 木、幽閉物

こうして私たちは彼から「きっかけ」という素敵なプレゼントをもらうことになる。

「アートとは作られたものの結果ではない。人間や地球にとって何が大事かを考える科学だよ。ぼくの作った箱のような作品なんかは、この中を覗こうとするものは、同時に自分の心の中を覗き込んでいるのでもあるんだ。だからぼくが一方的に発信しているんじゃなくて、観る人たち自身がそこから何かを探そうとしているんだと思う。そこに対話が生まれる。」

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990  会場風景

小林健二個展『黄泉への誓(うけい)』1990  会場風景

小林健二は夢中である。夢中で作り、発言し、そして人間としての営みを実践する。実践の場はもちろんアトリエだ。例えば七輪でサンマを焼いたり、ブラックライトで光る水晶の灯りで酒を汲み交わす時、そこに浮かび上がるのは、アーティストである前に生活を営む一人の庶民の姿であるに違いない。

*1991年のメディア記事を編集抜粋しています。画像は付加しています。

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単一回路鉱石ラジオの製作(筐体+仕上げ編)

小林健二自作単一回路鉱石ラジオ

自作単一回路鉱石ラジオ。 作例のサイズを参考までに示すと、W140×D178(ツマミを含む)× H90(mm)です。

回路図です。

回路図です。

代表的な鉱石式受信機を紹介してみたいと思います。これまでの記事でこの受信機に使用するソレノイドコイルや鉱石検波器については紹介しているので、今回はケースや調整についてです。

ソレノイドコイルの製作

固定式鉱石検波器の製作

コイルのインダクタンスの調整によって同調をとり、感度を計るものです。作例では実際に1920年代に存在していた受信機のコイル部分を復元し、他の部品は今でも電気店などで購入できるもので代用しながら製作してみようと思います。

ケースの製作

ケースはどのような素材によって作られていてもかまわないので、ここではアクリルの板で作ってみます。

ケースについては、あらかじめできているものを使う場合は、最も目的に近い大きさのものを選ぶということになりますが、自分で作る場合はコイルなどの中に入るものの大きさや配置が決まってから、それに合わせて作れるという利点があります。

今回は黄色いアクリル板の5 mm厚のものを使いました。

まず、組み上がったコイルを見ながら、ケースのサイズを考えます。ケースの形は自分なりに考えるのが楽しいと思います。全体の大きさが決まったら、それぞれの板材のサイズを割り出してカットしてゆきます。

2~ 3 mm厚くらいの場合は、Pカッターなどで、きっかくようにして樹脂板に切れ日を入れ、切れ目にそって割るようにして手で切り離します。5mm厚となると少したいへんなので、あらかじめPカッターで筋目を少し入れておいてから、金ノコを使うとまっすぐに早く切ることができます。

2~ 3 mm厚くらいの場合は、Pカッターなどで、きっかくようにして樹脂板に切れ日を入れ、切れ目にそって割るようにして手で切り離します。5mm厚となると少したいへんなので、あらかじめPカッターで筋目を少し入れておいてから、金ノコを使うとまっすぐに早く切ることができます。切り口がぎぎぎぎになるの でサンドペーパーをかけて仕上げることを考えに入れて、サイズ付けのとき、こころもち大きめにマーキングをしておくとよいでしょう。

サンドペーパーで切り口を仕上げるとき、90度の出ているものにあてながら、平らなところにサンドペーパーを敷いて前後にゆっくり動かして削ると、 きちんと上がります。

サンドペーパーで切り口を仕上げるとき、90度の出ているものにあてながら、平らなところにサンドペーパーを敷いて前後にゆっくり動かして削ると、 きちんと上がります。

箱の板材が切れたら組み立てですが、その際90度が出るように小型のスコヤで計りましょう。

箱の板材が切れたら組み立てですが、その際90度が出るように小型のスコヤで計りましょう。

接着にはアクリル用接着剤として市販されている四塩化エチレンを使います。

この接着剤はアルコールのようにサラサラした揮発性の高い透明な液体で、アクリル材のすき間に流し込むようにして使用します。

この接着剤はアルコールのようにサラサラした揮発性の高い透明な液体で、アクリル材のすき間に流し込むようにして使用します。

 

あらかじめセロテープで軽く仮止めをしてずれないようにしてから作業するとずれなくて安心です。

あらかじめセロテープで軽く仮止めをしてずれないようにしてから作業するとずれなくて安心です。

そのまましばらく置いておけば完了です。このとき仮止めしたテープを伝ってよけいな場所に液が流れてしまわないように注意しましょう。

一面一面ていねいに仮組みをしたあとで組んでゆけば、しっかりとした箱になります。

ケースが組み上がりました。

ケースが組み上がりました。

作例ではこのままだと角が尖って手ざわりがよくないので、サンドペーパーで面をとって丸めておきました。

作例ではこのままだと角が尖って手ざわりがよくないので、サンドペーパーで面をとって丸めておきました。

全体の組み立て

組み上がったケースと内部のコイル、そして検波器を組み立て、配線をします(配線図を参照して下さい)。

ケース全体がつや消しになっているのは、はみ出した接着剤をサンドペーパーで取るときに、ついでに400番のペーパーを全体にかけてつやを落ちつかせたためです。ピカピカに仕上げたいときには、このあと800番、1200番くらいの耐水サンドペーパーを水につけながら全体にかけ、プラスチックポリッシュや金属用のつや出し剤をやわらかな布につけて磨きます。

向かっていちばん右のターミナルは紫色ですが、これは市販の白いものを樹脂染料で染めてみたものです。

向かっていちばん右のターミナルは紫色ですが、これは市販の白いものを樹脂染料で染めてみたものです。

配線図です。

配線図です。

調整と聞き方

組み立てが終了したら、念のため接続に誤りがないかハンダ付けはうまくできているかもう一度確かめます。アンテナ、アース、ヘッドフォンなどをそれぞれのターミナルに接続します。配線がうまくいっていれば、ヘッドフォンをかけた段階で小さくても何かしら放送が聞こえるはずです。

作例で用いたロータリースイッチは1回路12接点のタイプで、カチカチと同してゆくといくらでも回って、とくに止まるところがありません。ですからツマミをつけるときに、いちばん巻き数の少ないタップのところがきている位置にツマミを12時方向(じるしが真上にくる)にしたりして、自分でわかるように取り付けておくとよいでしょう。

調整はまずコイルのヘッドフォンヘとつながるタップのスイッチを、巻き数がいちばん小さなところへ合わせておきます。そして空中線のターミナルにつながるタップのツマミをひとつずつ静かに回して、いちばん大きく聞こえるところに合わせます。そしていちばん大きく聞こえるポイントを見つけたら、今度はアースのターミナルにつながるタップのツマミを回して、さらにいちばんよく聞こえるところを探し、その次に初めにいちばん巻き数を小さくしておいたツマミを動かし、次いでまたもう一巡、全体の作業を繰り返します。

もし全然音が聞こえないようなら、固定式鉱石検波器と金具の接点がしっかりとついているか調べてください。

固定式鉱石検波器がついているフロントパネル。

固定式鉱石検波器がついているフロントパネル。

音が聞こえても小さい場合や、フォックストンの接点もしっかりしているのに聞こえないときは、フォックストンを取り去り、そこにダイオードを入れてみてください(できたら仮にハンダ付けをして)。もしそれで聞こえるようなら、フォクストンの調子が悪いのです。

上記のことをすべてしても音が聞こえなかったりしたら、ハンダ付けか配線の不良がどこかにあると思います。あきらめないでもう一度チェックしてみてください。

なお、この回路ではそれほど多くの局は入らなくて、きっと1つか2つくらいが受信できると思います。 しかし、思いのほか分離がよいと思います。

*この記事は、小林健二著「ぼくらの鉱石ラジオ(筑摩書房)」より抜粋編集しております。

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[アーティスト小林健二さんーこの仕事が好き]

20-30代頃の小林健二アトリエ

20-30代頃の小林健二アトリエ

一度工房に入ると、誰もがきっと驚く。

万力、サンダー(削る機械)、ボール盤(穴を開ける機械)棚に並ぶ顔料の透明な瓶、古い柱時計、段ボール箱に入った松脂に似たかたまり、大型の支持体(キャンバスなど、絵を描いたりするもの)絵を描き終わった板・・・・。中央にある特大の仕事机の周りをこれらのものが隙間なく取り囲んでいる。数年、小林さんはこのアトリエで仕事を続けてきた。

ー五感

東京の新橋にあった刀鍛冶の家に生まれた小林さんは、家の中で職人に囲まれて育った。近所もふとん店、床屋、時計屋などの商店が多かった。こうした環境の中で、小林さんはものを創造する仕事をすることに決めた。絵を描くことが好きだったので、アルバイトをしながら絵を描くことにした。生活できるかどうかなどと考えたことはなかった。収入は気にならなかった。

「だいたいぼくって好きなことしかできないからね。人にとって価値がないものでも夢中でできるやつは、お金持ちになれないかもしれないけど、生き生きとした人になれると思う。」

絵を描くことから始めたが、作品は様々に変化していった。エポキシ樹脂を凹凸のある土台に押し付けて固め、その上に金属や硝子を置いたり、カヤやコーヒー豆の袋をキャンバスにしたり。『これは絵か、彫刻か、なんと呼べばいいのか?』と聞かれたことがある。やがてオブジェも作るようになった。

「人間は五感を使って生活しているでしょ。それなら、表現の方法もストイックに一つの種類でやることはないと思うんです。」

[MAMA] 1977 黄麻に油彩、膠(コーヒー豆の袋を解いてキャンバスに仕立てている。七宝焼のような青色は自作絵の具)

[MAMA] 1977
黄麻に油彩、膠
(コーヒー豆の袋を解いてキャンバスに仕立てている。七宝焼のような青色は自作絵の具)

ー材料

小林さんは様々の素材を使って作品を作ることが多い。作品[Dreaming Crystal]を例にとると、ポリエステル、ガラス、アクリル、ポリエチレン・・・。透明の光る山を作るだけで、これだけの材料を使う。

「自然の氷のような山を作ろうとすると、これだけ必要になるんです。」

材料を化学変化させて作ると、時には予想通りにできないことがある。

「ポリエステルに硬化剤を入れすぎたことがあります。反応が強く出て透明の結晶が出来上がるはずだったのに、細かいヒビが入って紫水晶のような半透明の結晶ができてしまったんです。」

こうした失敗は頭の中にしまいこまれ、のちの作品に生かされる。精巧な仕掛けを、作品に組み込むこともある。古くみえるように作ったラジオ作品の上に置かれた結晶が、明滅するエレクトリカルなアート、結晶自体が七色にゆっくりと変化していくだけではなく、ラジオの音声の強弱にも反応して、光が明滅する仕組みになっている。仕上がるのに一月以上かかった。

「好きじゃなきゃ、できないですよ」

[夢みる結晶 1-Dreaming Crystal 1] 1985 石、樹脂ろう、ガラス、金箔、電子部品、硬石膏、パステル

[夢みる結晶 1-Dreaming Crystal 1] 1985
石、樹脂ろう、ガラス、金箔、電子部品、硬石膏、パステル

[夢みる結晶 3-Dreaming Crystal 3] 1986 ポリエステル樹脂、真鍮、光ファイバー、石、木、電子部品

[夢みる結晶 3-Dreaming Crystal 3] 1986
ポリエステル樹脂、真鍮、光ファイバー、石、木、電子部品

[PSYRADIOX] 1986 木、ガラス、電子部品 (作品上部にある透明な球が、ラジオの音声に同調して色々な色に変化しながら明滅する)

[PSYRADIOX] 1986
木、ガラス、電子部品
(作品上部にある透明な球が、ラジオの音声に同調して色々な色に変化しながら明滅する)

ー価値

小林さんの手もとにはあまり作品は残っていないという。個展などをすると作品を好きで買ってくれる人がいる。そして小林さんは言う。

「ぼくがものを作るということで、多分世界の不幸を取り去ることができるわけじゃないし、人の生死を左右できるわけでもない。でも、仕事ぶりっていうか、一生懸命生きていることが人に伝わって、その人の心を動かすことができるかもしれない。有名だからとか、大きくて力があるからだとかではなくてね。」

*1988年のメディア掲載記事を編集しております。作品画像は新たに追加しています。

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6/11[小林健二Talk+WET]

小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成] 会場:メガラニカ(Magallanica)

小林健二 Talk [工作のヒント]+[不思議な世界]+[結晶育成]
会場:メガラニカ(Magallanica)

6/11の小林健二トーク+WETは昨日で終了しました。

トークの風景

トークの風景

今回はガラス切りの工具の紹介からはじまり、実際にガラスをカットしてみます。そして小林によってよく仕立てられた鉋やノコギリ、ケヒキなど数点を説明しながらの作業実演です。ガラス切りといってもいろいろな形や種類があるものですね。

その後ドリンクや近所のイタリアレストランに注文したピザなどが届いた後は前回同様に歓談です。WETでは参加者同士の会話も弾み、形式的な取り決めが無い集いですので、各々のペースで残ったり、会場を後にしたりと自由に楽しまれていったのが印象的でした。

 

[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園 そしてサファイヤの書物] を見せているところ。

小林健二作品[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園そしてサファイヤの書物]を見せているところ。電気を使った作品の解説になると不思議なものばかりで、自然と身を乗り出していく参加者たち。

[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園 そしてサファイヤの書物] 「鉱石ラジオ」という言葉のイメージから製作された作品の一つ。音声に同調して部分的に結晶が白く明滅し、レンズに映る鉱物のみがゆっくりと回りながら赤く輝く。

[夜たちの受信機 晶洞よりの呼びかけ 紅玉庭園 そしてサファイヤの書物]
「鉱石ラジオ」という言葉のイメージから製作された作品の一つ。音声に同調して部分的に結晶が白く明滅し、レンズに映る鉱物のみがゆっくりと回りながら赤く輝く。

WET風景

WET風景

次回6/19は最終日です。 WETでは小林健二が中学高校生時代に自作した曲をギター演奏で歌うという、ミニミニオマケライブも追加されました。

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