Workshop[自作キャンバスをつくる]Review

小林健二ワークショップ[自作キャンバスをつくる]2015,10/31(土),11/8(日)14:00 –

於:墨瓦蠟尼加(メガラニカ)/東京

亜麻生地を使用した吸収性(アブソルバン)タイプのキャンバスを作るワークショップです。その名のとおり吸収性に富むため、樹脂分の多い油絵具に有効で、さらに水彩絵の具、ガッシュを始め、テンペラなどにも適しています。

※キャンバス製作に使う道具など

※キャンバス製作に使う道具など

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左が市販されているもの、右が今回作るタイプ(アブソルバンー吸収性キャンバス)、この後サンドペーパーで表面を整えていきます。

今回のワークショップ用教材です。

今回のワークショップ用教材です。

今回用意されたキャンバス作りの材料:木枠とアンコラージュ(膠がすでに塗られている)されている亜麻布(フラックス)、小林オリジナルレシピに寄るキャンバスの塗料を入れるタッパ。

持ち帰り用:フランドル派のキャンバス仕立て用粉末(ムードン地方で産出する炭酸カルシウム)と半円の白い塊(小林自作のソチーレ、石膏を固まらないくらいの状態で水を加えてかき混ぜることを繰り返すと、水底に白い粘土状の物が沈殿してくる。それを型に入れて天日干しして作ったもの。水で練って戻して使用する)とうさぎ膠(colle de peau)、(乾かしそして塗布を繰り返すことで漆喰のような表面に仕上げるため)表面のザラつきを取るためのサンドペーパー2種、吸収性のキャンバスを作るため、すぐに絵を描かない時には、ひび割れを防ぐための小林レシピのオイルとそれを塗るためのガーゼ。キャンバス張り器を持っている方には、復習用に木枠とキャンバス布。張り器を持っていない方用には、すでに木枠に張ったキャンバスが付きました。

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キャンバス張り器など、特殊な工具が必要な為、今回は少人数でのワークショップです。

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まずは張って見る。用意されたキャンバスはアンコラージュと言ってすでに膠引きがされた亜麻布を使用し、キラキラとしている方が表面です。布には伸びる方向とあまり伸びない方向があり、伸びる方向から張り始めます。専用のキャンバス釘(タックス)をキャンバス張り器で布を挟んで引っ張りながら木枠のほぼセンターに金槌で打ち込みます。

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表面に強いシワができないように、均一なテンションで張っていきます。

一晩かけて膨潤させた膠。

一晩かけて膨潤させた膠。夏など高温の時は冷蔵庫で膨潤させます。

今回はウサギ膠を使用します。TOTIN(トタン膠)とも言われ、ゼリー強度が強いので、湿度の多い日本などでキャンバスを作るのには適しています。膠はご存知のように加水分解したりとクサリやすいため、出来るだけ量を控えたいところです。そこでウサギ膠のように強いものを使用します。

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湯煎にかけて膠を溶かします。この湯煎なべも味わい深い代物です。

 

オリジナルレシピによる粉体の配合比率

オリジナルレシピによる粉体の配合比率

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長年小林自身もキャンバスを製作し、その支持体に絵を描いてきたため、粉体工学にのっとった配合比率は絶妙です。白色と言ってもうっすらと粉の色が違い、いろいろな粉が混ぜられているのがわかります。

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そこへ湯煎で溶けた膠を加えます。

参加者にできた塗料を分けているところ

参加者にできた塗料を分けているところ

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少しはじくようだったら、毛先の短いハケで刷り込むように一回目は塗ります。

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次からは載せるように塗っていくことがコツのようです。完全に乾燥したら塗り、乾燥させて塗る作業を数回繰り返すと、漆喰のようなアブソルバン(吸収性)キャンバスの仕上がりです。その後完全に乾いたら、サンドペーパーを軽くかけて表面を整えます。

厚く塗布するため、長いあいだ絵を描かずに放置しておくと、クモジワと言って四角に蜘蛛の巣のようなクラックが入ることが予想されます。その時のために用意されたのが小林自作レシピのオイルです。ガーゼでサッと塗っておきます。しかしこのオイルを塗った場合には、キレツは防げますが油絵具で絵を描くことを勧めます。水彩やガッシュには向かないキャンバスになります。

参加者からはこの自作のキャンバスに自作の絵具で描いてみたいとの要望が多く聞かれました。

[自作絵の具を作る]ワークショップが開催されるのをお待ちいただければ幸いです。