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精霊の家

STELLA IN THE ROOM

夜はぼくたちにいつも語りかけている

気圏の層に窓が開いて

遥かな宇宙の記憶の断片が 静かな雪のように降ってくるんだ

それは見ようとしたり 聴こうとしたりしなければ

なかなか感じることのない 小さな小さな声なんだ

でも

何かを探して夜空を見上げると

ひとりぼっちには

惜しみなくいくらでも 夢を降らしてくれるんだ

いろいろな色の様々な姿をしたキャンディーのような 素敵な味覚のお噺で

その心がいつの間にか温かく すっかり安心できるまで・・・

一度も会ったこともなかった 顔も知らない同士でも

知らない星の思い出が いっしょに懐かしくなったりするのは

きっとそんなわけなんだ

・・・・・・

ぼくは静かに外に出て、見上げる銀河に思ってみる。

かつてある巨きな人が深い眠りに入って星になった時、

それは一体どんな日だろうと・・・

そして今、その星のみる夢は、この上なく素敵なものであってほしいと。

その青く光る星の住人の一人として、故郷地球を思って見た。

小林健二

*文:[星のいる室内STELLA IN THE ROOM]より

[妖精の家]小林健二作品
通電すると室内から階段を昇ったり降りたりする音や、口笛やハミングが小さく聞こえ、またあたりが暗くなると点灯したり消灯したりする。

[妖精の家]部分
小林健二