小林健二、星雲

星雲
オリオン星雲は、銀河系で最も大きなガスとチリの塊だ。そこでは今も新しい星々が生まれている。若い星の照り返しが、美しいピンクに染めて、1500年の時間のずれとともに、その姿を伝えている。そしてその背景には、遥か宇宙の広大な海が続いている。始めも終わりも天国も地獄も、すべてを抱いて移ろいゆく。絶え間なく流れていく時間の波の後方に、過去が僕らを包んでいる。そして僕らは、その中に未来を見ようと見つめているのだ。

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