小林健二、霜


これは山岳の航空写真でも重晶石(サハラローズ)でもない。窓に付いた霜の姿だ。無意識の正義のように、宇宙は物質に何処かへの方向を促しているかのようだ。天然の世界ではごく当たり前の出来事が僕らを感動させる。幾百もの理論と、幾千もの不安の涯を過ぎて、真実への旅は続いている。いずれ闇も光も一緒になって僕らの夢さえ安らいでいる頃、小さな結晶の一つとして僕も目覚めてみたい。

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