日別アーカイブ: 2016-05-29

工作世界が教える身近な不思議との交感

「本を読んで心が癒されることがあったとしたら、それはとっても素敵だと思う。ぼく自身リラックスするのには、本はいつだって欠かせない。特に読む本は科学や工作や宇宙の本が好きだ。せわしない社会の中で生きるのは、人間たちが決めたルールであっても、知らず知らず身も心もがんじがらめになってることがあると思う。そんなよどんだ空気の底からサッパリとした気分で深呼吸するのに”星の世界”や”身近な不思議”は、ぼくにとっても大事なんだ。」

「昔は作る人と使う人がとても近いところにいたと思う。自分の感じた身近な不思議が好奇心となって何かを作らせる。そして使う人にもその物を通じてワクワクした心が通い合う。だからごくありふれた日常からも、物や人、作られたものを構成する木や石や金属、ひいては大地や大気に繋がって、いつでも自然と連絡する回路が確かめられるんだ。」

少年向けの工作本や科学雑誌は、今も氏の”癒しのバイブル”であり続ける。昭和初期に発行された、子供向けとは思えぬほど丁寧に取材構成され、詳細かつ美しい図解を多用した名著の数々。氏おすすめの「少年技師の電気学」(科学教材社、山北藤一郎著)、「科学する子供の為の模型航空機の作り方」(立命館、一柳直良著)、「子供の科学」(誠文堂新光社)など、古本屋で一度探してみては。

「少年技師の電気学」(科学教材社、山北藤一郎著)

「少年技師の電気学」(科学教材社、山北藤一郎著)

「科学する子供の為の模型航空機の作り方」(立命館、一柳直良著)

「科学する子供の為の模型航空機の作り方」(立命館、一柳直良著)

*1994年のメディア掲載記事を編集しております。

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