[TOYAMA ART NOW inner and outer ’99]より

[TOYAMA ART NOW inner and outer ’99]より(富山県立近代美術館発行)

子供の頃読んだ本の中に、片方の目にだけ、ある不思議な薬を塗ると普段なら見えにくいたくさんの宝石が見える、というような内容のものがありました。結局その主人公は、もっとよく見ようとして両目に塗ってしまい、何も見えなくなってしまうのですが、その本の挿絵の一つに片方にだけ薬を塗った人が、地中や空中にいろいろな色で輝く水晶のような美しい鉱物を見てはしゃいでいるのがありました。ぼくはとりわけその絵が好きでした。

ぼくはまた、古代の世界やそんな時代に書かれたかもしれない書物とはいかなるものかと考えたり、ある日机の引き出しを開けるとその中で青い発光体が静かに浮かんでいるといった幻について、想ったりしていることが好きです。

ぼくはそのような隠れたところや見えにくい場所に、何か素敵な宝物があるような気がしてなりません。そして、そんな目に見えない透明な通信でかわせる世界があることを信じているのです。

小林健二

Of the book I read when I was a child, there was one about the story of one person, who, by painting only one of his eyes with some mysterious medicine, was able to see many jewels and gems that could not normally be seen. But in the end when the protagonist painted both of his eyes to try to see more, he ended up not being able to see anything.

I especially liked one illustration on the book: it showed the person with only one of his eyes painted who was ecstatically looking at beautiful gems and stones scattered on the ground and floating in the air glittering like crystals awash in a rainbow of colors.

I also used to think about the ancient world and what kind of books might have been written then, and I liked to fantasize that one day I would open a drawer in my desk and there would be a blue luminescent object quietly lying there.

I have really felt that some beautiful treasures can be found in such hidden and unexpected places. I believe that there is such a world that we can communicate with through some unseen, transparent means.

Kenji Kobayashi

[TOYAMA ART NOW inner and outer ’99]より

 

*以下は実際に展示された作品に加え、上記の小林健二の文章を想起するような彼の作品を何点か選んでみました。

「夜光結晶」 LUCIFERITE
水晶、電子回路、他 
(水晶が光を受けてゆっくりと七色に発光を繰り返す。洞窟の中でのインスタレーションとして制作された。)

 

「FORAMINIFERA CONODONT BOOK OF AZOTH 」
混合技法

「九一式土星望遠鏡」 SATURN TELESCOPE TYPE 91
混合技法
(1991年に構想し19年後に完成した作品。レンズには全体像を表す土星が見え、青く光りながら回転する)

「CRYSTAL OF AZOTH WITH AURA TRIGGER 」
1992-1994

[CRYSTAL OF AZOTH(霊の鉱石)]とは本来セファイドの水の結晶です。その結晶の左側に陽性起電微子を、その右側に陰性消失微子を発生着帯します。アレフ(空あるいは風)、メム(水あるいは海)、シン(火あるいは熱)のそれおぞれ緑、青、赤の色彩成分をアゾト(霊あるいは意識)によって封じられた結晶なのです。この結晶はアルプス地方に産する明るい煙水晶で、その中に極めてわずかに見つけられる古代セファイドの水を含有したものを使用します。その左側に手をかざすと陽性起電微子ーAZOTHIN(アゾシン)の一種によって発光する場ができ、右側においてはその反対の作用が起ります。

(左の柱に手をかざすと水晶内部にゆっくりと光が現れはじめ静かに色彩が変化する。右の柱に手をかざすとまたゆっくりと消える)

crystal-of-azoth from Kenji Channel on Vimeo.

 

KENJI KOBAYASHI

 

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