小林健二「EXPERIMENT1]

これは動物の硬骨組織と淡水植物プランクトンのケイ藻類との重複プレパラートだ。もちろん写真ではどちらか一方しか焦点が合わないわけで、この場合は硬骨組織にピントが合っている。
科学的根拠はほとんどないが、硬骨を形成するカルシウムは、生命現象を地球上に強く関係付けている物質である。有機的な物質というとぼくはどうしてもカルシウムを連想するのは、それによって作られる動物の骨、人も恐竜も共にその外形はいつも有機的だからかもしれない。
また、ケイ藻などは名の示す通り、細胞膜にはペクチン質を基本にしていても、それ以外はケイ酸化合物によって作られている。
ケイ酸イオンは、ぼくにはシリコンウエファーなどを連想させて、無機的なイメージが強い。共に高倍率では、結晶的な構造が強くて、生物における精神や意識の所在を、ふと考えさせられる。だからこのプレパラートは、ぼくにとっての無機と有機の生物学的結合なんだ。

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