小林健二、カンブリア紀

カンブリア紀の海の中
彼らはその時代の真只中にいた。おそらく宇宙を想像することも、愛によって育まれ、生きていくことへの疑問や希望も、僕らの方法とは少々違っていたかもしれない。7対の奇妙な脚(?)を持つハルキゲニア。象の鼻のように長い口(?)によって捕食しながら、五つの大きな複眼で僕らには感じられない構図の景色の中を生きたオパビニア。僕らのしていることは本当に少しだけ。彼らの言葉を知らなくてもカンブリア紀の穏やかな海の底で熱い想いを交感したい。

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